依存はない ページ12
ぞわ、と寒気が体を駆け巡る。
前の、審神者たち…？手前が皆を刀解すると言ったのか？…なぜ？
「…主、怖がらないでくだされ」
一期が手前の首筋に手を添えた。その大きな手に手前の首はすっぽり包まれてしまって。締められているわけでもないのに息苦しくなった。
「ぁ、」
「わ、泣かないで主さん」
頬に流れる涙を乱が拭った。手前の顔を覗き込んでくる。
「大丈夫だよ、怖くない怖くない。ここにいればなーんにも怖くないからね」
ちゅ、と小さく瞼にキスを落とされる。…どこでそんなこと覚えたんだ乱。
乱の青い瞳から目を離せずにいると、不意に襖が開いた。
「大将、大丈夫か…って何してんだお前ら。いち兄も」
呆れた顔でツカツカと近づいてくると、手前の腕を掴んでいた秋田と包丁をべりっと引き剥がした。
「秋田、包丁。大将そこケガしてるんだ。辞めてやれ」
「…！？あ、主君、申し訳ありません…！」
「ご、ごめん主…」
あっなんか薬研が神様に見えてきた。神様だったわ。
「久しぶりに大将と話せて嬉しいのは分かるけど、あまり無理をさせないでくれ。大将はしょっちゅう無茶をするんだから…」
うぐ、ごめんなさい…。
「…何言ってるの、薬研。また主さんに捨てられたらどうするの」
まだ手前にくっついたままだった乱が、手前の手に指を絡めてきた。こっ、これは噂の恋人繋ぎ…！？
どうしたら良いのか分からなくて、目線で薬研に助けを求める。
「乱、あのなぁ…大将がわざわざ俺っちたちを捨てるためだけに戻って来るはずがないだろ？…それに前だって、大将が俺っちたちを捨てたんじゃなくて俺っちたちが大将を捨てたんだろうが」
薬研の発言によって静まり返った審神者部屋で、外の風の音のみが響き渡る。皆顔を伏せてしまって、何振りかはまた泣き始めていた。…手前どうしたら良いの。
「っ…手前、ほんとに、…刀解とかしなぃから、ね…、けほ、」
手前の声に、皆が顔を上げる。
「手前は、…この本丸、大事だからきたの…、皆のこと、心配だったからきたの…」
話すことすらしんどくなってきて、何度も言葉がつっかえる。喉は痛いし、目の前がぐるぐる回る。何度か咳き込むと、薬研が慌てたように立ち上がった。
「乱、水を持ってきてくれ。いち兄は大将の着替え。他の兄弟たちは新しいきれいな布団と包帯、あと消毒液。大将、ちょっと動かすからな」
抱き上げられると同時に、また意識が遠のいた。
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碧 - 面白かったです！御体に無理がないように頑張ってください！ (4月13日 11時) (
レス) id: 75384074dc (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 更新楽しみにまってます。 (3月28日 18時) (レス) @page17 id: 66c9a050dc (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - 面白かったです❗️更新楽しみに待ってます！ (1月4日 23時) (レス) @page7 id: aa210f3daf (このIDを非表示/違反報告)
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