トラウマはない ページ2
「大変、申し訳ございません…」
「いや、こんのすけが謝ることじゃないもんねー。ダイジョブダイジョブおーるおっけー」
しゅん、と耳を下げるこんのすけの頭を撫でる。
手前がしょっちゅうケアしてたからふわふわのはずなのに、今はゴワゴワだ。可哀想に。本丸についたらすぐに毛並みを整えてあげよ。
「それに、仮に手前が嫌だっつっても被害は広がるだけだしー」
「ぅう…審神者様ぁあ…」
お守りできなくて申し訳ありません、と膝の上で丸まって泣くこんのすけを抱き上げ、着物の懐に入れた。
「まーさか二年も経って戻ってこい言われるとか誰も思わねーよねぇ」
追い出したのは向こうだってのに。
見習いさんに嫌がらせをしたっつー覚えのない濡れ衣を着せられた挙げ句追い出されて。泣きじゃくってパニックになりながら政府さんに駆け込んだらそん時は真面目に驚かれた。
後々調べたところ、見習いさんは呪術を使って刀剣男士たちに自分を信じさせたことが発覚、そのまま連行されました。とんでもねー見習いを送ってしまってすみませんってお偉いさんに頭下げられたけど結局審神者は辞めて役人になった。後悔はしてない。
その後、本丸にはたくさんの審神者が送られてった。
誰も生きて帰ってこなかった。
政府の方々はこれ以上手前に迷惑かけるわけにゃいかんって思って黙ってくれていたけど、もう本当に手に負えない状態になってきてしまっていて。
やむを得ずに手前に頼み込んできた。政府の皆さん良い人。
「ま別に気にしちゃいないけどね。何されたかとかほぼほぼ忘れたし」
「で、ですが…」
「トラウマとかないしダイジョブっしょ」
部屋にある鏡の前に立ち、服を脱いだ。
右肩から左の脇腹に走る傷跡。天下五剣の三日月宗近につけられた傷。二年経った今でも傷は残っていて、撫でるたびにあの時の皆の顔を思い出す。
怒ってたな。手前が無茶して怪我した時より、つまみ食いした時より怒ってた。
手前より見習いさんの方が大事だったんだなぁ。
…まぁでも、もう忘れちゃったけどね。
「ぅう…かぐや様ぁ…」
「ぁ、そうだ。もうAで良いよ」
思い出したように真名を述べれば、こんのすけは小首をかしげた。
「神隠しされても良いし、別に殺されても気にしないし。真名教えちゃっても別に良い気がする」
「！？だ、だめですぞ！」
「…いや、どうせ死ぬんなら皆に殺されたいし」
かつて愛した、手前の刀剣達に。
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碧 - 面白かったです！御体に無理がないように頑張ってください！ (4月13日 11時) (
レス) id: 75384074dc (このIDを非表示/違反報告)
？？？ - 更新楽しみにまってます。 (3月28日 18時) (レス) @page17 id: 66c9a050dc (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - 面白かったです❗️更新楽しみに待ってます！ (1月4日 23時) (レス) @page7 id: aa210f3daf (このIDを非表示/違反報告)
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