ヒトリゴト。

締め付け(ybin) ページ7

伊野尾side




大学生になっても、恋なんてしないって決めてた。



こんな見た目だしいい思いもしてきたけど、それ以上に辛い思いもいっぱいしたから。



誰かを好きになるのが怖かった。

そう思ってたのに。



「お、伊野尾！元気か？」


「やぶ、せんぱい…」


やぶ先輩。2つ上の先輩
友だちの大ちゃんに誘われて入ったサークルにいた優しくて、背も高くて、かっこいい。


それに加えてみんなに好かれてる。
やぶ先輩の周りにはだいたいいつも人がいるから。



「なんだ〜？？元気ねぇじゃん！大ちゃんはどした？」


「元気ですよ！大ちゃんは寝坊で休みです」


「またかよ笑笑伊野尾は毎日ちゃんと来て偉いな〜」


「わっ、ちょっ、やめてくださいよ」


「ははっ、わりぃわりぃ笑笑」



こうやってスキンシップも激しくて色んな人が勘違いしてる所を既に何度も見た


でも、そんなことには鈍感でみんなが友達、仲良くやろうぜ！みたいな人だからそういうとこが嫌いだったりする。



……でも、すき。
やぶ先輩を廊下で見かけたり、話をしたりするだけで胸がぎゅーって苦しくなる。


好きですって言えるなら言いたい。
でも、今の関係が壊れるのが怖い。



それに、先輩には彼女さんがいるから…。

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