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薮side
あれから俺たちはさらに気まずくなって、今までの関係が全て壊れてしまったような気がした。
だけど俺は、伊野尾の事が好きということに気づいて彼女と別れた。
伊野尾の家からピアノの音が聴こえなくなって1か月がたった。今までどんな事があろうとピアノの前に座り続けた人間だから。
斜め前に座る伊野尾は、授業中に無意識なのかよく机の上で鍵盤をたたいている。
やっぱり、伊野尾はああ言ってたけど体は正直で
だけどそうさせてしまったのは紛れもなく俺で。その光景を見るたびに心が苦しくなった
だから、なんて言い方は違う気がするけど伊野尾に手紙を書いた。
音楽の時間少し懐かし気に、気まずそうに触っていた音楽室のピアノの上に置いた。
なぜだか分からないけど伊野尾が今日、ここに来る気がしたから。
伊野尾
いっぱい傷つけてごめん。もう10何年も一緒にいるのに、伊野尾の気持ち初めて知ったよ。
苦しんでることに気づけなくてごめん。話聞いてやれなくてごめん。
…でもさ俺の事だけでも今からまた好きになれないかな。俺、やっと気づいたんだよ。伊野尾の事が好きだって。いっぱい遠回りして、知らないうちにお前の事傷つけてたけど、それでも、伊野尾が大切だし、大好きだよ。
っ、…ヒクっ、
誰かの泣く声で目が覚めた
手紙の内容を思い出したら寝てしまったみたいで、ふと声のするほうを見ればそこには手紙を持って泣く伊野尾がいた。
気づかれないように伊野尾に近づいてふわりと抱きしめた
「やっぱり……好きなんじゃん」
「嫌い、きらいきらい!!ピアノも、薮も、全部嫌いになれたら良かったのに…無理だった。やっぱり忘れられなくて、毎日が空っぽでっ!…っ!」
「伊野尾、ごめん。手紙にも書いたけどお前にいっぱい謝らなきゃいけない。でも、伊野尾が好きってことに気づけたんだ。ピアノを弾いてなくてもいい、伊野尾がやりたいことだけやって笑っててくれれば俺はそれでいい。それだけで幸せなんだ。だから…俺の側にいてください。」
俺なりに気持ちを伝えた。
伊野尾にもう一回笑っててほしくて。
「おれっ、俺の方こそごめん……俺だってこの短期間で薮の事いっぱい傷つけたのに…っ俺、薮のことが好きなのぉっ!」
「うん、それでいい。それでいいよ。2人で幸せになろ?」
「っ、うんっ……」
いっぱい遠回りして2人で傷つけあったけど2人で幸せになれるよな。
終わり良ければすべて良し、つってな。
end
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いのてん(プロフ) - 更新とても嬉しいです!!甘々なのお話大好きなのでもっと読みたいくらいです笑ゆっくりでいいですし、いつまでも待ってるのでまた更新お待ちしておりますね(^ ^) (2019年8月16日 7時) (レス) id: 0789ee6158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琳 | 作成日時:2019年1月23日 10時