マダタリナイ、ガイチバンイイ(ybin) ページ5
伊野尾side
「わっ、伊野ちゃん大丈夫!?」
今日も誰かがおれを心配する声が楽屋に飛び交う。
「ん、………」
別に体調が悪いわけじゃない。
「伊野ちゃん横なろ。薮ちゃーん!」
「どした〜…って伊野尾大丈夫か!?」
「や、ぶっ…」
「今日はどした?めまいひどい?」
「うん……」
めまいなんてまっぴらな嘘。
「ほら、ちゃんと肘掛に足と頭乗せて目つぶらないと。」
「んや、…」
「俺横にいるから。ちょっと寝とけ。な?」
「分かった………」
「ん、いい子。おやすみ。」
そう。これだよ。
これこれ。
おれはこれが欲しいの。
やぶがおれのことだけ見てて、おれのことだけ考えてて、心配してくれるの。
毎日貧血だとかなんだとかそれっぽい理由つけて、こうやってやぶに手を握ってもらいながら目をつむる時間がだぁいすき。
おれだけみて。
おれだけ構って。
おれだけ考えてて。
…………ひかるのとこなんか行っちゃダメだよ。
そろそろ新しいのにしないとやぶが離れていっちゃう。
「ほんとに1人で帰れるか?俺送っていくぞ?」
「んーん、だいじょぶ。今日も迷惑かけてごめんね…」
「迷惑じゃねぇから。ほんとに気をつけて帰れよ?明日無理そうだったらちゃんと連絡して休むこと。分かった?」
「わかったよぉ、、じゃーね、ありがとう」
「ん。おやすみ。」
なにしよう。どうしよう。
死なない程度のものでもっともっとやぶに心配してもらいたい。
そんな事考えてたらいつの間にか家に着いてて。なにかヒントにならないかと我が家のリビングをぐるりと見渡した。
「あ、………」
みつけた。見つけた。ミツケタ。
カッターだ。いいものあんじゃん。
そう思うと自然と頬が緩んだ。
「痛いのは好きじゃないけど………んっ、、!ふぅっ、……」
つぅーっと腕を伝う真っ赤な血。
キレイ。楽しい。面白い。
なにこれ。止まんない。クセになっちゃう。
「あっ、……やぶっ、」
やぶ、来て。
心配して。俺のために泣いて。その瞳におれしか映さないで。
______ハヤク、オレノトコロニキテ
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いのてん(プロフ) - 更新とても嬉しいです!!甘々なのお話大好きなのでもっと読みたいくらいです笑ゆっくりでいいですし、いつまでも待ってるのでまた更新お待ちしておりますね(^ ^) (2019年8月16日 7時) (レス) id: 0789ee6158 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:琳 | 作成日時:2019年1月23日 10時