捨てられた妹-7【文スト】

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たらふく西洋菓子を食べたあとは、運動がてらの買い物(ショッピング)が始まった。彼女達は、あれもいいこれもいいなんてきゃっきゃとしている。





｢Aはいつもどのような場所で御洋服を？｣

｢大抵はポートマフィアの傘下に入っているブランドで。私が気に入った店舗は大体お父様が何とかしてくださるのよ。｣

｢流石ポートマフィア……｣

｢偶に大型の複合商業施設(ショッピングモール)も見に行ったりするわよ。普通に街中のお店に入ったりもするし。｣

｢Aは幹部だから御洋服も全部高いものだと……｣

｢そんな事ないわよ。このワンピースだってそんなにしないわよ。｣

｢……因みにお幾ら？｣

｢これは持ってるワンピースの中でも安い方だから……五万ちょっと…？｣





彼女は値段に興味ありません、といった様子でそう言った。じゃあ普段どんな服着てるんだと問いたくなる。途端に、ナオミは彼女に触れるのがとても怖くなってしまったが、彼女はそんな彼女の心を汲み取ってか｢そんなに緊張しなくても大丈夫よ｣と笑った。





｢Aちゃんってやっぱりお嬢様だね……｣

｢まぁ実際そうですし。昔の兄様なら、このくらいの値段のワンピースなら十数着位まとめ買いしてきてたでしょうね。今は無理でしょうけど。どうせ貯金も殆ど使い切って、なけなしのお給料も直ぐに使ってしまっているのでしょう？｣

｢その言葉がこんなにもぐさりと胸に刺さるとは思わなかったよ。｣

｢今まで高額な御給料に合わせて、至る所からお金が入ってきてたんですもの。いきなり一般的になって節約できるわけもない。特に兄様は節約とは無縁そうだし。綺麗なお嬢さんに贈呈品を差し上げるのはいいけど、もう少し自分の生活に気を使ってみては？国木田さんにも、妹として申し訳が立たない。｣





ズバリと言い当ててしまう辺り、やはり太宰のことを誰よりもよく知っているのは彼女なのだろう。国木田に縋っていることもお見通しだ。

彼女の言う通り、探偵社の給料というのはポートマフィアに劣る。然し、荒事専門という事もあって一般企業に比べればずっといい方だ。少なくとも生活していくのに苦労はしない。

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