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「建人くんはっけーん♡」





Aは七海の左側からドンッと抱きつく。背中にある鉈にぶつかるのだけは嫌なようで、こうして左右や前方から抱きつかれることの多い七海は小さくため息をついた。





「Aさん、もう大人なんですからこういう事は控えてください。」

「え〜パパはいいのに?」

「あの人は言っても聞きませんから。そして大前提として、男です。そして何よりあなたはもう人妻。容易くよその男に抱きつくものじゃありませんよ。」

「建人くんの口から人妻って出てくるとは思わなかったよ。」





そう言ってケラケラ笑っている彼女の見た目は、またさらに五条に近づいた。それはもちろん目隠しのせいなわけだが。

彼がため息をついてサングラスを押し上げていると、その後ろから伏黒が彼に声をかけた。





「七海さん、こんにちは。」

「こんにちは、伏黒くん。……この状況に関しては何も言わないんですか?」

「……もう諦めました。それに、七海さんなら大丈夫だろうと思って。大人ですし。」

「逆に誰ならダメなの?」

「普通全員ダメなんだよこのバカ。さっさと離れろ、七海さんも忙しいんだ。」

「私だって忙しいよ!!」

「じゃあ尚更離れろ!!」





子供のような可愛らしい痴話喧嘩を始めたかと思うと、伏黒はAを引き剥がした。口ではああ言ってはいたものの、やはり自分の嫁が他の男に抱きついている、もしくは抱き合っている光景は見ていて気持ちのいいものではない。

相変わらず素直じゃないな、と七海は小さく笑った。





「伏黒くん。なにか私に用があったのでは?」

「ねぇ、私には何か用かって聞かないのなんで?」

「あなたは用がなくても抱きついてくるので。」

「よくわかってんね!」





五条の遺伝であろうウザ絡みも、彼女なら許してしまうのは昔から知っているからだろうか。もはや自分の妹感覚の彼女は、七海にとって目に入れても痛くないような存在だった。

それは今も昔も変わらないが、大人になったのだからもう少し落ち着いて欲しい。しかし父親があれなのだからそれは難しいだろう。





「今度の任務の資料です。」

「ありがとうございます。」

「どんな任務?」

「他人の任務内容を見る暇はお前にはない。任務行くぞ。」





まだ七海に絡もうとするAの体をひょいっと担ぎ上げると、伏黒は慣れたもんだと言った様子でスタスタとその場を離れていく。

彼も大変だな。と、心底同情してしまう。

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ぷぅ(プロフ) - 凄く面白くて一気に全部読んじゃいました!!今後の更新についての作品が見れていないので、どう言う状況なのか分かりませんが、続きが更新されるのを楽しみに待っています(^^) (7月17日 0時) (レス) @page18 id: 1fdd2ab3eb (このIDを非表示/違反報告)
thmrt1214(プロフ) - とても素敵でおもしろ作品だと思います!続きを待ってます! (2022年4月5日 20時) (レス) id: c58d97a9b4 (このIDを非表示/違反報告)
天音 - アンチコメなどは気にせずに頑張ってください (2022年3月10日 21時) (レス) id: 48f3bd005d (このIDを非表示/違反報告)
ゆきな☆(プロフ) - 私この作品好きです!無理のないよう頑張ってください!待ってます! (2021年12月3日 19時) (レス) @page16 id: ccfc63a9dd (このIDを非表示/違反報告)
もやし - いっつも見てます!体壊さない程度に頑張って下さい!!応援してます!! (2021年8月19日 17時) (レス) id: e2e99622db (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年8月12日 1時

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