King and Princess２

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Aside
さっきからずっと隣の拓司の楽屋の方からバタバタって音が聞こえる。


まぁ、拓司だから誰か知っている人でも遊びに来たのかな…って思っていた束の間。



"ｺﾝｺﾝ"



『はい。』


仕掛け人「モデルをやっています、由美といいます。」


『はぁ…？』


仕掛け人「Aさんにお話があって、参りました。」


『あ、そうですか。どうぞ。』



モデル…？


由美っていう人は聞いたことがないし、なんの用なのか疑問に思いながらも楽屋に入れた。



『話とは？』


仕掛け人「単刀直入に言います。私は伊沢さんのことが好きで付き合いたいと思ってます。」


『で？』



私は何も動じていないふうに答えた。


まぁ、実際何も思ってないけど。



仕掛け人「伊沢さんと別れてもらえませんか？」


『拓司は何と？』


仕掛け人「私のことを好きだと言ってくれています。でもAさんがいるから付き合えない、って。」


『そうですか。それで？』


仕掛け人「いや、だから別れてほしいって。」


『私は拓司から別れてほしいと言われたら、なんの抵抗もせずに別れます。』


仕掛け人「伊沢さんもわかれ…」


『でも、本人からは聞いていません。拓司が言わないってことは私のことをまだ好きでいてくれているということだと思います。』



由美さんは黙ってしまった。


ここでまだ何か私が言うのは可愛そうな気もするけど、私の気もおさまらないから続けて言うことにした。



『それに拓司のことを1番好きなのは私だっていう自信はあります。だからあなたには負ける気はありません。』



"ｶﾞﾁｬｯ!!"



伊沢「A！」



楽屋の扉を開けて入ってきたのは拓司だった。

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