好きな人、おるん？【2】 ページ11
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突然の質問に心臓がどくりと鳴る。
途端に鼓動が早くなる。
このまま運転はできない、そう思った私は、
「…急に何？ １回止めていい？」
そう言った。
声、震えてたと思う。
西畑「ええよ。そろそろ運転変わるわ」
停止できる場所に止めて、運転席から助手席に移動する。
「ありがとう、運転させてくれて」
西畑「ええよ。…で、おるん？」
大吾くんが運転席に戻った途端、また話を戻された。
「…いないけど」
そう、答えるしかないじゃない。
西畑「ふーん」
「大吾くんは？」
西畑「おらんけど」
その言葉に少しだけホッとした。
「そっか。…急にどうしたの？」
そう問えば、言われたのは少し懐かしいこと。
西畑「ふと、みっちーがあんたのこと好きやったって思い出して。そういやこばから恋愛話きいたことないなって思ってん」
ジャニーズのなかじゃ、割と有名な話。
みっちーの初恋が私だったって。
「え？ あ、あー…その話は聞いたことあるよ。でもあれだね、勘違いだよ」
西畑「なんでそう思うん？」
「んー、近くにいる女の子がたまたま私だったってだけだと思うから」
西畑「あのみっちーから想われてたのに、贅沢やなあ」
「…今をときめく道枝駿佑からだもんね。確かに贅沢かも。でも噂を聞いた時今は違うらしいってのも聞いたし」
だいぶ昔の話でしょ、そう言えば。
大吾くんは少し考えたあと、言った。
西畑「…せやな。そうかもしれんな。メンバーになる前に勘違いがなくなって良かったわ」
最後の言葉に引っかかりを覚えた。
「メンバー同士が恋とか、やっぱ嫌？」
意を決してそう聞く。
西畑「それがってより、…もしケンカとか、ましてや別れたとかなった時気まずくなるんちゃうかなって。それは嫌やな」
「………うん、わかる」
だから、私も伝えたりしないんだ。
ずっと言わないんだ。
この気持ちは隠しておこう。
そう改めて決意した夜だった。
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作者名：ソルト
| 作成日時：2023年3月30日 22時
