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ようやく息がうまく入っていくようになり、私は一目散に出口へと手足をばたつかせた。

だけど、そんな私のもたつく足を清太は掴み引きずり戻した。



「イヤァ」

「A」


這いつくばっていた私の体をひっくり返した先には清太の顔が見えて、それを拒否するかのように全身がチクチクと悲鳴をあげた。


「お前は幸せか?なぁ、楽しいか?俺は全てが憎くて仕方ねぇよ、わかるか?俺はこんなにも目立ってる………目立ってるのに、誰も気づかない。お前は俺が見えるか?見えてるか?俺をちゃんと見てんのかよ!」


力任せに私の体を揺さぶる清太は、シャワーを浴びたかのように顔がビショビショだった。

ヒューヒューと音を立てる私の呼吸音がやけに耳についた。



「なんで、泣いてるの?」


「泣いてねぇ」


「清太?」


「…うるせぇな!」



私は呑み込まれるように清太に抱かれた。



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作者名:ミーコ | 作成日時:2017年9月30日 14時

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