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朦朧とする意識で、抱き抱えられて揺れる清太の腕の中。
あの時よりも痩せ細った私の体はすっぽりと清太に包み込まれていた。
「清太、降ろして。どこに行くの」
「……2人きりになれる所」
「怖いよ、ヤダ!離して」
「離すかよ、こうでもしなきゃお前逃げんだろ」
分かりきっている。そんなの当たり前だ。
怖くてたまらない。
「話がしたいんだよ、ちゃんとお前と………
最後にさ」
「…最後?」
清太が歩くのをやめて私をそっと降ろした。
そして私の目線と合わせるようにかがむ。
「何もしない。だから、話をしようよA」
その顔が、その瞳が、まだ幼い時の笑い合っていたあの頃の清太だった。
私はゆっくりと頷いた。
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作者名:ミーコ | 作成日時:2017年9月30日 14時