十六夜奇病病棟【小説】

やっべぇ（トウラSide） ページ25

最近、段々と悲しいと思うことが無くなった気がする。

きっとこの奇病のせいだろう、これでも進行は遅いほうだ

ホントは5ヶ月ほどかけて、ゆっくり進行する。

きっと先生達が、作ってくれた薬が効いてるんだろうな

さて、これからどうしよう

部屋を片付けてもらうには、

まだ朝早いし、看護師さんにはいつも迷惑をかけているから言うのは少し心苦しく思った。

真っ黒に染まった自分と部屋を見て、とりあえず僕は着替えることにした。

クローゼットを開け、新しい服を手にしたとき、

ﾊﾟﾘﾝ何かが割れる音がした。

どうしたんだろう…

この真っ黒の部屋にずっといるわけにも行かない

散歩ついでに、行ってみることにした

さぁ、きがえようか

着替え終わって、病室のドアを閉めたとき、

待って!と誰かが叫ぶ声が聞こえた。

のんびりしている時間もないかも…

何か大変なことが起きたのかも知れない

音と声が聞こえてきた廃病棟には、警報機がない。

震える手を握って、深呼吸をした。

そして、僕は、最悪の場合を考えながら、

廊下を走った。

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