十六夜奇病病棟【小説】

繰り返し _夜泣無光_ ページ12

…まただ、朝が来た、憂鬱な朝
それでも私は孤独感に押しつぶされないよう、笑うしかできない
そんな事を思いながら慣れたように片目の包帯を触る
今日こそは無いかななんてありえない事を思いつつ
まぁ、無くなってるわけなんてないけど。
そうやって自分の片目に咲いた花を鏡で見つめながら思う
分かってるのになんでやるのか、自分でも分からない
もう分かってるのに、認めたくないんだ
包帯を巻き終わったら、片手に水が8分ぐらい入ったペットボトルを取る
キャップを取って頭の上にペットボトルを逆さにする
そして突然くる冷たい感覚
髪どころか服も濡れる

『ま…当たり前か』
こんな事したって気が紛れるわけないんだけどね

そして廊下に出て

『もう分かってるけど』
もう、どうやったって
抵抗したって
いくら暴言を吐いても
『治らないんだろ』
そうやって嘲笑うように言う
治らないかどうかは分からない
でも、心のどこかでそう思ってる捻くれてる自分がいる
『さて…』

水のある場所、探さないとなぁ

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