三十一巻 ページ31
無表情できっぱりとそう告げるとぱちくりと瞬きをする鬱さん。
shp「…………どういうことっすか？てか、なんで俺が鬱さんやと思ったんすか？」
『私が以前ショッピさんの尻尾を触ると顔を赤くさせてこちらを睨んできました。
だから今回も逃げるために尻尾を触りましたが恥ずかしがるどころか貴方は痛そうに顔を歪めていました。
さらに他の人物に変化できる能力を持っているのは化け犬のコネシマさんか豆狸の鬱さんだけです。
でもさっきの行動を考えると………鬱さんですよね？』
説得力のある言葉をすらすらと伝えると、いきなり視界が白に染まる。
『うわっ！！』
これは………煙？
目が霞んで薄っすらと目を細めてあたりを見ると、そこには見慣れている鬱さんの姿があった。
私と目が合うと、鬱さんは何事も無かったかのようにふにゃりと笑顔を見せた。
『やっぱり鬱さんだったんですね…』
ut「そうやでー、ようわかったなぁ。Aちゃん」
「探偵みたいやったで」と言ってくすくすとからかって笑う彼を怪訝な目で見つめる。
笑い終えたかと思えば、鬱さんは突然拗ねたように唇を尖らせた。
ut「あーあ。あとちょっとでご褒美があるはずやったのにー」
『え？』
鬱さんの言葉で私がさっきまで抱きつかれていたことを思い出す。
キスされそうだったことしか考えてなくて気付いて無かった…………。
こんなにも自然に抱きつくことができる鬱さんはいったい何者なのか……。
呆れつつも鬱さんに警戒の視線を向けていると、ドタドタとうるさい足音が響いてきた。
音のする方を向くと、一人の男がものすごい勢いで突進してきていた。
cn「どーーーん！！！！！！」
『ち、チーノさん！？！？』
間一髪で突進を避け、チーノさんはそのまま鬱さんに突進していく。
ut「うげぇっ！！！！！」
cn「やったぁ！捕まえましたよーー！！！！………って兄さんじゃないですか！！」
ut「兄さんって言うな！！軍隊感があるやろ！」
ギャーギャーと騒いでいる彼らを呆然と見つめていると、独特な煙の匂いが鼻を掠めた。
振り向くと、私の後ろで優雅に煙草を吸っているショッピさんと目があった。
shp「……ほんとに、子供みたいですね」
私はそんな彼の言葉を無視して、何故か無意識に彼の尻尾を触っていた。
ビクリと肩が震え、顔を真っ赤にしているショッピさんを見て思わず
「本物だぁ………」
と呟いてしまった。
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うどん(プロフ) - 彩音さん» ありがとうございますー！！！頑張って描いたので嬉しいです！最後までお付き合い頂きありがとうございます！ (2020年5月28日 1時) (
レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好みのお話でした〜！そして最後当たりのイラストうますぎる･･････ (2020年5月27日 6時) (レス) id: 5d687b4a81 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 眠猫さん» とても嬉しい限りでございます。最後まで読んでくださりありがとうございました！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - 感動しました。少女の死んででも会いに行こうとするのなんてﾉω･､） ｳｩ･･完結おめとうございます！ (2020年5月23日 13時) (レス) id: 290d396106 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - ロルくんさん» ありがとうございます！！頑張ります！！！！ (2020年5月2日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うどん | 作成日時：2019年10月2日 21時
