二十六巻 ページ26
『うーん………暇だなぁ』
特にすることがない私は深いため息をついて、畳に仰向けに寝転がる。
あんなに寝たというのに寝転がると瞼を閉じたくなる。
私は欲に負けてそっと瞼を閉じた。
その時、
zm「なぁ、A。暇なん？」
いきなり聞こえてきた声にびっくりして目を開ける。
すると、私のことを見下ろしているゾムさんと目があった。
『ぞ、ゾムさん……なんの御用ですか？』
zm「いやぁーAが暇って言ってたから遊びに来たんやで！！！」
嬉しい………とは言い難い。
前にも彼に遊び倒されて全身筋肉痛になったのを思い出す。
『非常に残念なのですが、私そんな元気残ってないので………』
無理矢理口角をあげてアハハ……と笑うと、ゾムさんは悩んでいる素振りを見せてうーんと唸っている。
するとこちらを見て、にやりと悪魔のような笑顔を見せた。
zm「食害されんのと俺と鬼ごっこすんの……どっちがいい？」
『鬼ごっこがいいです』
真顔で即答すると、にぱっと嬉しそうに笑った。
まるで子供のように無邪気に笑うので思わず私も笑ってしまう。
するとゾムさんは、はっとなにかを閃いたような顔になった。
zm「ええこと思いついたわ！ルールつけようや！！！」
『ルール？』
確かに。
人間の私と妖怪のゾムさんでは完全に私のほうが不利だ。
鬼ごっこをするならばなにかハンデをつけてもらはないと困る。
『確かにルールは必要ですね………』
ぼそりと呟くと、ゾムさんはにこっと笑って通信機を触った。
………ん？通信機を触った？？？
zm「お前ら！！今から全員で鬼ごっこ始めるで！！！しかも勝ったやつは………
Aになんでも言うことをきいてもらう！！
ただし一回きりな！！俺らは鬼やしな！！じゃあスタート！！！！」
『え？』
理解が追いつかない。
っていうか…………
『ゾムさんと二人で鬼ごっこするんじゃないんですか！？』
zm「ん？二人きりがよかったん？なんやそれ！！かわいいなぁ！！！」
『いや、そうじゃなくて……！！！』
グルッペンさんたち対私だったらさらに私が不利じゃないか！！！
状況が呑み込めず慌てていると、「はよ逃げんと捕まえるで？」とゾムさんに笑われる。
《Aになんでも言うことをきいてもらう！！》
その言葉を思い出した私は、顔を真っ青にして全速力で逃げ出した。
今、地獄の鬼ごっこが始まる。
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うどん(プロフ) - 彩音さん» ありがとうございますー！！！頑張って描いたので嬉しいです！最後までお付き合い頂きありがとうございます！ (2020年5月28日 1時) (
レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好みのお話でした〜！そして最後当たりのイラストうますぎる･･････ (2020年5月27日 6時) (レス) id: 5d687b4a81 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 眠猫さん» とても嬉しい限りでございます。最後まで読んでくださりありがとうございました！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - 感動しました。少女の死んででも会いに行こうとするのなんてﾉω･､） ｳｩ･･完結おめとうございます！ (2020年5月23日 13時) (レス) id: 290d396106 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - ロルくんさん» ありがとうございます！！頑張ります！！！！ (2020年5月2日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うどん | 作成日時：2019年10月2日 21時
