十六巻 ページ16
グルッペンさんの笑いにつられて思わず私も微笑んでいると、昨日の出来事を思い出した。
『あ、そうだ。グルッペンさん』
gr「なんだ？」
『この印は何なんでしょうか……』
そう言って自分の前髪を上げる。
彼は私の額を見るなり満足そうに微笑んだ。
gr「あぁ、これはな……俺の餌という印だ」
その言葉で空気が凍った。
優しく微笑んでいる彼は私の事を食べようとしていることに変わりはない。
その事実が叩きつけられたような感じがして思わず顔が歪む。
そんな私を見ても彼は眉一つも動かさない。
ただ、静かに微笑むだけだった。
――――――
gr「ついたぞ」
ついていくと、そこには昨日と変わらないメンバーが大きな声で談笑していた。
朝食に手を付けていないので待っててくれてたんだろう。
sha「あーっ！！Aー！！こっちこっち！！」
声がしたほうを向くとシャオロンさんがにこにこしながら自分の隣に座れとでも言うように手招きをしている。
いきなり声をかけられて驚いてから、ちらっとグルッペンさんの方を見ると頷いていたのでシャオロンさんのところへ向かった。
『おはようございます』
sha「おはよー。いやー昨日はごめんなぁ？まさか倒れるとは思わんやん？」
謝罪をしてから思い出したのか、またケラケラと笑い出す。
本当に反省してるのだろうか………。
シャオロンさんがあまりにもいじってくるのでキッと睨むと、とても嬉しそうに揺れている尻尾が目に入った。
『あれ、シャオロンさんも獣の妖怪なんですか？』
sha「え？あー…そやで。俺は化け犬(ばけいぬ)やな」
『へー！そうなんですね』
化け犬って確か人に化けて人間を守ってくれる妖怪だった気がする………。
『……私の事も守ってくれますか？』
私が笑いながらそう言うと、シャオロンさんは何故かそっぽを向いてしまった。
彼の耳が真っ赤になっているのは言わないでおこう。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 567人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「wrwrd」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
うどん(プロフ) - 彩音さん» ありがとうございますー！！！頑張って描いたので嬉しいです！最後までお付き合い頂きありがとうございます！ (2020年5月28日 1時) (
レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
彩音(プロフ) - 完結おめでとうございます！とても好みのお話でした〜！そして最後当たりのイラストうますぎる･･････ (2020年5月27日 6時) (レス) id: 5d687b4a81 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - 眠猫さん» とても嬉しい限りでございます。最後まで読んでくださりありがとうございました！！ (2020年5月23日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
眠猫(プロフ) - 感動しました。少女の死んででも会いに行こうとするのなんてﾉω･､） ｳｩ･･完結おめとうございます！ (2020年5月23日 13時) (レス) id: 290d396106 (このIDを非表示/違反報告)
うどん(プロフ) - ロルくんさん» ありがとうございます！！頑張ります！！！！ (2020年5月2日 16時) (レス) id: a3779bcd2c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：うどん | 作成日時：2019年10月2日 21時
