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初めて会ったときから、あいつは今までずっと優しかった。
俺にだけじゃなくて、もれなく全員。
関わる人みんなに無償の優しさをためらいなく配れる人格者だ。
だからあいつの周りには人が集まる。
その中心にいるふっかはいつもキラキラしてて眩しかった。
そんなふっかだから、“照ならできるよ”と言われたら何でもできる気がした。
“照が思うようにやればいいよ”と背中を押されたら、押されたその場所に大きな翼がはえた気がして。
そんな言葉をかけてくれる、魔法使いみたいなふっかは何を思う?
何を抱えて、何と戦ってる?
年上でも、先輩でも。
SnowManを結成した時からずっと、俺はふっかを支えれるような大きな存在になりたかったのだ。
「…幸せそうにご飯をモリモリ食べる姿はかわいいって。」
「オシャレなとこがかっこいいって。」
ただのアニメオタクでダンスバカかと思ってだけど、佐久間の記憶力は侮るべからずで。
ていうか寧ろアニメで培われた記憶力なのか。
そうであるなら今度欲しいって言ってたキャラTでも買ってあげようかなと心の中で密かに思う。
「あとはね、照の優しいところが好きだって。」
そこでドキリとした。
関係が薄い人からは見た目が怖いだの冷たそうだの言われてきた。
もちろんメンバーにそんなこと本心で言われることはないし気になんてしない。
一方そんな人たちから褒められることといえばダンスと振り付けのセンスについてが大概で、だから優しいとはなかなか新鮮な褒め言葉だった。
『…ふっか、俺のことかなり好きじゃん。』
「ね〜。」
ふっと微笑む佐久間からは常の幼さが消えている。
まるで仲間、親友の幸せを見守るような温かささえ感じて、悔しいけれど俺も素直になってしまう。
『ふっかって可愛いよな。』
「うん、ふっかはまぁ可愛いとこもあるね。」
『いいやつだしな。』
「俺らの長男だからね。」
『静かに見守ってくれると思ったら年下組と一緒にはしゃぐ時もあって。
誰にでも、素直で優しい。』
言われてみれば目の前の次男もふっかと似てる部分がある。
結局は、年下の俺らを色んな形で守ろうとしてくれるふたりだ。
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作者名:雪 . | 作成日時:2022年5月5日 1時