岩泉くんは切ない恋をしています。【HQ】 (ページ10)

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好きだ9 ページ10

翌日の昼休み。

花「お、恋煩いの岩泉君。調子はどーだい??w」

『てめ、いい加減その呼び方やめろ！』

松「花、あの岩泉だぞ？大した進展があるわけ無いじゃん。」

及「そんなことないよ。唄ｻﾝ、今日の午後練見に来るんだもんねー？岩ちゃん！」

花、松「は!?!?」

『おい！めんどくせーことバラすなよ!!』

及川に蹴りをいれる。

花「ちょっと、聞きました!?松さん！あれ本当に岩泉さん家の一君かしら???」

松「ほんとね、花さん！あーゆー無害そうな男が意外と1番獣なのね！」

2人してカマ口調でやだー！とか騒いでる。
まとめて消し去ってやりたい。

松「つーか、何で昨日の今日でそんなことになってんの??」

突然、素に戻った松川が聞いてくる。

及「昨日の放課後、唄ｻﾝが岩ちゃんの生徒手帳持ってきてくれたんだよね！」

花「へぇー！親切！及川がｻﾝ付けしてるってことはもしかして年上?!」

『あぁ、近くの芸大の2年。今日もバレーしてる俺らの絵描きに来るだけだ。』

松「まさか岩泉が年上のオネーサンとはね。」

『お前、そーいう言い方やめろ。』

余計なことを話していて時間がなくなった俺達は急いで飯を平らげ午後の授業へと急いだ。

5限の授業は現国。
なんか適当に本を読んで感想文を書けという課題が出たため、俺と及川は図書室に来て本を物色している。

及「何なんだろうね、この授業！あの先生、絶対手抜きしたいだけじゃん。」

『だな。ま、楽だからいいけど。つか、この授業中に1冊読んで提出ってキツくね？』

及「ま、長いのは不可能だよね。あっちの方に短編の本の棚なかったっけ？」

及川の指差した方へ移動し、本のタイトルをツラツラと眺める。

及「あ、この詩のやつとか楽じゃない？1個好きな詩見つけて感想書くとか！」

『んじゃ、それで。』

及川が選んだ本と同じものを取る。
すると、横にある本のタイトルに目を奪われた。

『あ。』

及「ん？他に良いのあった？、、、あぁ～。」

俺の声に不思議そうに本棚を覗いた及川は俺の反応に納得。と言ったようにニヤニヤした。

及「それも借りていけば～？ま、それで課題やるのは難しそうだけど。」

『、、クソ川。』

及「ちょ、酷くない?!」

ニヤつき顔の及川を置いて俺は2冊本を引き抜いた。
タイトルは、

『誰でもできる！初めての手話。』

無事課題を提出し授業終わりにこの本だけ借りた俺の顔は真っ赤に染まっていた。