白紙の本

意味を教えてよ ページ4

謎の大学生と出会ってから三日目。

あれから何も起こらない、いつも通りの日々が続いていた。

あの日、意地悪をした男子は謝ってくれて、本当に何も起こらない。


「謝ってもらえてよかったね」

「ん、まぁ、ね……」

「どうしたの？最近ちょっと上の空じゃん」

「んー…まぁね」



昼休み。教室で友達と話ながら弁当をつつく。

甘い卵焼きが口のなかでとろけた。



「えー、なになに？なんかあったの？恋とか？」

「そりゃないよー…睨んじゃうクセ、どうしようかなって……」

「Aは睨んでないし、元々たれ目でしょ。それに笑えば普通に可愛いよ？」

「…笑わなきゃ可愛くないの？」

「そーゆーわけじゃないってー」



教室の窓の外を眺める。

雲一つ無かった空を白い線が横切った。

白紙の本は、家の勉強机の引き出しの中に入れている。

どうせ、読む文字なんて一つもない。

でも何故だか捨てられなくて、ちゃんと保管していた。



「隣のクラスのイケメンボーイ？」

「や、だから恋はしてないよ」



本の意味があるなら誰か教えてよ。

なんでもいいから、何か起こらないかな。

怪獣が空から降ってくる…とかでいいからさ。

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