5話 綺麗な男への思い ページ6
鯉登side
昨日第7師団に来た男はどこか
だが箱を開けてみれば口が悪く第一印象は最悪だ
それに鶴見中尉に失礼な態度までとっている
許せない、あの男
だが、Aは案外真面目だった
朝、私が素振りをしていると木刀を持ってきたAが来た
Aも素振りをするつもりだったらしい
私が「真面目だ」と言うとAは照れたのか顔を赤くして否定した
照れ隠しというものだ
Aは「
その男はAの初恋だという
Aは自傷的に笑ったが私はなぜか心がモヤッとした
そして私は気づいたらAを壁に寄せ、腰を掴んでいた
そうだ、彼は腰が細い
筋肉をつけるために素振りはしているらしいが体は細いし薄い
まつ毛も長く瞳が少し潤んでいる
髪もツヤがありサラサラとしていて少しいい香りがする
肌は少し白くて柔らかく、鼻は高くて小さい
そして唇もぷっくりとしていて少し赤い
このまま口付けでもしてしまいたくなるような顔立ち
あんなに嫌な男だと思っていた男に私は口付けをしてしまいたいと思ってしまった
何故か
いや、理由などいらない
彼が美しいから____
ふと、Aが目をつぶっているのに気づき私はAから顔を離し、朝食のため屯所へ戻ろうと誘った
私がシャツと上着を着ているところを彼は目線を外さずじっと見ている
私は振り返らず屯所の中へと戻った
ズルッ
思わず廊下へ座り込んでしまった
鯉登「
まだ朝が早いためか、廊下には人っ子一人いなかった
70人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いてぃん x他1人 | 作成日時:2022年6月11日 23時