103.脱獄開始 ページ5
「レーイッ!!!」
エマの叫び声を聞きつけたママがすぐに食堂へと駆けつける。そして取り乱しているエマの肩を掴んだ。
「エマ!」
「ママ⋯助けて⋯!レイがっ、レイが中に!!」
ママはこの事態に罠かと疑うが、この人が燃えるような臭いと、エマの動揺、そして発信器の反応を見てレイが中にいると確信する。
これは
あの子、自分に火をつけたんだ。自分を出荷させないために。
ぬかった!まさか最後にこんな形で抵抗してくるなんて⋯!
どうする?明日の出荷は!?
“
今“摘める”のは私のプラントだけ、しくじれない。火を消す!レイは捨てられない。
「ギルダ!みんなを外へ!私の部屋の子達もお願い!」
ママは消化器を取り出して起きてきたギルダに指示を出す。
エマを下がらせて消化に専念する。
スプリンクラーが作動しないから火の勢いは増すばかり。
「エマ!あなたも早く逃げなさい!このままではあなたまで───」
振り返るとそこにエマの姿はない。
発信器の信号を辿ってエマがいる場所に行くと、そこにあったのはエマのものだと思わしき耳。
あの子⋯⋯いや、エマだけじゃない。
「あの子達、何履いてた?」
──
──────
「おまたせ。みんなちゃんと発信器壊した?」
「「うん!」」
「エマ、耳の手当てを⋯」
「ありがとう、後でお願い。今は急ごう。
さぁ逃げるよ!塀まで走ろう!」
レイが呆気にとられている間に話は進んでいき、みんな塀に向かって走り出した。
近くにいたドンにどういうことだ、と問いかけるとエマが話したんだと伝えられる。
「ドンとギルダ以外にも話そうノーマン、A」
洗濯の時間にエマが2人にいきなりそんなことを言い出した。
「
私達が思っているほど子供じゃない。現実にあの化物から逃げる上でも危険を知って自分の意志で脱獄に加わってもらった方がいいと思う」
一拍置いたエマはそれに、と付け足す。
「ママは
最初にアンナ、ラニオン、トーマ、ナットの4人を。残りの弟妹達は2ヶ月かけて少しずつ引き入れた。
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ルノチキ(プロフ) - サクラさん» サクラさんコメントいつも本当にありがとうございます!!申し訳ないのですが受験生のため、来年の3月くらいまで一度更新停止させて頂いています。どうか気長にお待ち頂けると幸いです。 (8月30日 17時) (レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)
サクラ(プロフ) - 続きお願いします。 (8月13日 14時) (レス) id: fb2a310b55 (このIDを非表示/違反報告)
ルノチキ(プロフ) - 琥珀さん» 琥珀さんコメントありがとうございます!そんな風に言って貰えてすっごく嬉しいです!!更新再開までお付き合い頂けたら幸いです。 (6月15日 16時) (レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)
琥珀(プロフ) - こんなにも面白い作品をありがとうございます。 (6月13日 4時) (レス) @page11 id: 3f6213cd29 (このIDを非表示/違反報告)
ルノチキ(プロフ) - サクラさん» 毎度この作品を読んでくださりありがとうございます。そう言ってもらえて何よりです! (2023年5月8日 22時) (レス) id: 78d43729cf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ルノチキ | 作成日時:2022年8月22日 17時