シャドウサイドストーリー。【裏】

5.奇怪な考察道 ページ5

*


「ねぇ、何でだと思う？アキノリのあの態度。」


春とは言えどあくまでまだ成り掛けの段階で、桜何てものは咲いちゃあいない

そもそも梅すら花を咲かせていない


「ちょっと可笑しかったよね。今日のアキノリ君。」

「…確かに。いつもはアヤメさんの誘いにめちゃくちゃ喜んで便乗するのに、今日はまず案件にすら興味を示さなかったし…」


トウマが顎に手を沿える。彼が何かを考える時の癖だ


「…このあとどうする？私、探偵団で一日終わっちゃうと思って予定全て退いちゃった」

「私も。この後予定ないよ。」

「僕も。家に帰っても誰も居ないし。」

「じゃあさ、この後皆で遊びに行こうよ。このメンバーで揃うの中々ないし。」


＿＿＿＿＿＿＿＿＿


曲が一回途切れる。

目の前で木の棒を握るアヤメちゃんは一度深呼吸をすると、再びゲーム画面へ目をやった

刹那、物凄い速さで流れてくるドンとカッの記号をその棒で叩いて次々と処理していく

トウマと私は、ただただその光景をぼー…っと見詰めていた

すごすぎて何も出る言葉が無いのだ

最後の大きなドンを叩いた時、機械から聞こえてきたのは何度も聞いた馴染みのあるあの声。


『フルコンボだドン！！！』


…それこそ彼女の意外な一面だった。

無意識の内に手を叩き、彼女を賞賛していた

アヤメは照れ臭そうに頭の後ろを書くと、バチを閉まって私たちの方へと駆け寄ってきた

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