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5話 ページ5

彼女は昔から、少し人と変わっていた。





12の時、未来を見る力を手に入れた自分は随分と調子に乗っていたのを覚えている。

占いごっこなんかを始めて、怪しまれない程度に友達の未来を当てて驚かせていた。

一時は天才少年として、村でも人気者だった。

しかし人知を超えた力は人々に徐々に不安を与え、誰もが自分を化け物でも見るような目で見てくるようになった。


誰も自分に近寄らない。

自分のせいで家族も非難の目を浴びる。

家族もいつしか、自分を避けるようになった。



そんな時に彼女は現れた。

いつからそこにあったのか分からない芽が、陽を浴びてふっと花を咲かせたように。



「人はみんな、神のもとに平等なの。

イライ君も、何でもない人間だよ。

みんな貴方のこと、変な力を持ってるとか言ってるけど、どうしてそれを個性だって思えないのかなぁ」


孤児だという彼女は、訳あってこの村の教会に移ってきたらしい。

梟を撫でながら、誰も言わないようなことをサラッと言ってしまった。


きっと彼女の考えを、殆どの人間が否定するのだろう。

そんなことは間違っていると。

この世界は人数の多い意見が正しいように出来ているのだから。


だけど、ねえ、そう思うでしょう?と柔らかい笑みで小首を傾げるこの子を見ると、こんな小さな意見でも、誰よりも正しいのだと思い込んでしまう。

思い込んでしまいたい。









「イライ」



「………………………A?」




君は大人になるにつれてどんどん綺麗になっていった。

自分だけ子どもとして置いていかれてしまうのではないかと、少々不安になるほどに。








美しい笑みを浮かべた愛する人が、そこにいた。

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えるみ(プロフ) - あねもさん» 閲覧ありがとうございます!花言葉についてはあえて触れなかったのですが、分かってくれる方がいて嬉しいです……! (2019年9月22日 16時) (レス) id: 58f336f1ac (このIDを非表示/違反報告)
あねも(プロフ) - とてもおもしろかったです!最後に出てきた紫色のアネモネは、あなたを信じて待つという意味ですか?私自身、紫色のアネモネがとても好きなので嬉しくて思わずコメントしてしまいました!完結、お疲れ様でした! (2019年9月22日 4時) (レス) id: 8c1c97f69f (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - *まめ丸*さん» 感動してもらえたなんて嬉しいです.......!またいつか新作作った時はよろしくお願いしますね!ありがとうございました! (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)さん» 完結させられて良かったです!閲覧ありがとうございました! (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
*まめ丸*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すごくよかったです!感動しました!!えるみさんと出会えてとても幸せでした!!そしてお疲れ様でした!!えるみさんの素敵な作品いつまでも待っています!!えるみさんや作品大好きです!!えるみさんの幸せを願って。また会える日まで!! (2019年8月14日 21時) (レス) id: 7b0adad536 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えるみ | 作成日時:2019年7月13日 17時

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