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31話 ページ31

「お前まだあの子に会っているのかイライ。
まあ、教会のシスターの一人だから縁を切れとは言わない。だがその……少し変わっているだろう?これ以上深入りするのはよせ」


「あなたのために言ってるのよ?仕事が波に乗って来てるのに、虫みたいにまとわりつかれちゃあなたも大変でしょう?」


「……あまり彼女を悪く言わないでくれませんか」



ああ、食卓が不味い。
そもそも両親の熱弁を聞きながらなんて手が進むわけがない。


占い師の仕事で得たお金は、ほとんどが両親の懐に入っている。
Aと親しくなることで、仕事を優先しなくなることが嫌らしい。



「昔から仲がいいのは知ってるが……村のため、お前の将来のためを思って言ってるんだぞ」


お前のため?


「……自分のためだろう」


つい、零れた言葉に父がガタリと音を立てて立ち上がった。
胸ぐらを捕まれ立たされる。


「イライ!!親になんて口を聞いているんだ!!誰のおかげで店を出せていると思っている?」


威厳があって、尊敬できる人だった父はどこへ行ったのだろう。
金が人を狂わすことを身をもって体験してしまった。




今の稼ぎなら、あなた達の手を借りずとも十分に生活していける。

息子を金の成る木としか見ていないような親の元にいる意味は無い。今すぐにでも彼女とこの村を出ていきましょう。






「イライをこんな親不孝者にしたのはあの女よ。そうよ、あの女がいなくなれば、きっと元に戻るわ!!」


は?


「そうだ、お前が出ていくなんて、村の誰もが許さない。お前を引き止めるためなら、一人の犠牲くらい咎められないだろう」




違う。これは、今言ってるんじゃない。


未来だ。


もし自分が村を出ると言ったら、Aは




「聞いているのか?!」


「…………ごめんなさい。私が間違っていることは分かっています。少し、考えさせてほしい」



そう言うと、父は火が消えたように落ち着いた。


みんな狂ってしまったんだ。
人知を超えたこの力のせいで。





僕と一緒にいて、彼女に危険が及ぶなら

私は喜んで身を引こう。

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えるみ(プロフ) - あねもさん» 閲覧ありがとうございます!花言葉についてはあえて触れなかったのですが、分かってくれる方がいて嬉しいです……! (2019年9月22日 16時) (レス) id: 58f336f1ac (このIDを非表示/違反報告)
あねも(プロフ) - とてもおもしろかったです!最後に出てきた紫色のアネモネは、あなたを信じて待つという意味ですか?私自身、紫色のアネモネがとても好きなので嬉しくて思わずコメントしてしまいました!完結、お疲れ様でした! (2019年9月22日 4時) (レス) id: 8c1c97f69f (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - *まめ丸*さん» 感動してもらえたなんて嬉しいです.......!またいつか新作作った時はよろしくお願いしますね!ありがとうございました! (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)さん» 完結させられて良かったです!閲覧ありがとうございました! (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
*まめ丸*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すごくよかったです!感動しました!!えるみさんと出会えてとても幸せでした!!そしてお疲れ様でした!!えるみさんの素敵な作品いつまでも待っています!!えるみさんや作品大好きです!!えるみさんの幸せを願って。また会える日まで!! (2019年8月14日 21時) (レス) id: 7b0adad536 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:えるみ | 作成日時:2019年7月13日 17時

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