【第五人格】婚約者は後を追って

19話 ページ19

｢A！ここの解読手伝ってくれ！俺は機械音痴だからな……｣


ウィリアムと合流し、二人で解読を始めた。


｢上手く救助したみたいだな。マーサが攻撃を受けてない。これはいけるぞ！｣


暗号機の進捗は四割、五割と調子よく進んでゆく。

しかし六割を超えた時、またナワーブがダウンしてしまった。


｢っどうしよう……また……｣


｢心配するな！アイツが飛ぶまでにはここも終わる。救助はマーサに任せて、今は集中するぞ！｣





そうして再びナワーブがチェアに縛られているあいだに、あとほんの少しで解読が終わる状態になった。


｢あとは俺がタイミングを見て終わらせる。そっちにゲートがあるから向かっていてくれ｣

｢分かった！｣



そう言われた方角へ向かっている時、ナワーブが救助されまたダウンさせられた。
その瞬間暗号解読が終了し、彼はまた走り出すことができたらしい。

これが、"中治り"か。





｢あった、ゲートだ……！｣


やっと出られる。

ウィリアムは反対のゲートを開けに向かったようだ。

ハンターは今離れたところにいるはず。と、安心して暗号を入力していた。

あと少し、あと少し。心音もしない。大丈夫。






脱出という希望の光が見えたその時、すぐ側に黒い影が落ち


｢間に合いましたね。逃がしませんよ新人さん｣


赤い眼が暗い夜に爛々と光っていた。

20話→←18話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す