13話 ページ13
「ナワーブ君」
隣の席で昼食のパンにがっつく傭兵に声をかけた。
もぐもぐと頬張りながら、ん。とだけ返事が返って来る。
今日はAがゲームに参加する日。
彼女は相変わらず女性達に囲まれて食事を共にしていた。
「ナワーブ君は、今日の夜の試合……Aと一緒なんだよね。
Aは運動が苦手では無いと思うのだけど、何しろ初めての試合なんだ。
自分での治療も上手く出来ないだろうし、通電後に残った力を出す方法も分からない。だから、その…………」
「……守ってやればいいんだろ?」
なかなか出せずにいた言葉を、彼は分かってくれた。
誰だって痛い思いはしたくない。
できるなら、自分が脱出したいだろう。
その気持ちが分かるから言い出せなかった。
「…………彼女を、任せてもいいかい?」
「勿論だ。
お前の大切な人、任されたよ」
嗚呼、ナワーブ・サベダーは本当に勇敢な男だ。
彼がいればきっと、大丈夫。
安心したら食欲が湧いてきたな。
「ナワーブ君、食べたいものはないかい?」
「馬鹿。自分の飯は自分で食え」
少し冷めてしまったスープを口に運んだ。
430人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
えるみ(プロフ) - あねもさん» 閲覧ありがとうございます!花言葉についてはあえて触れなかったのですが、分かってくれる方がいて嬉しいです……! (2019年9月22日 16時) (レス) id: 58f336f1ac (このIDを非表示/違反報告)
あねも(プロフ) - とてもおもしろかったです!最後に出てきた紫色のアネモネは、あなたを信じて待つという意味ですか?私自身、紫色のアネモネがとても好きなので嬉しくて思わずコメントしてしまいました!完結、お疲れ様でした! (2019年9月22日 4時) (レス) id: 8c1c97f69f (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - *まめ丸*さん» 感動してもらえたなんて嬉しいです.......!またいつか新作作った時はよろしくお願いしますね!ありがとうございました! (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
えるみ(プロフ) - カゲロウ(白ヰ迷ヰ戌)さん» 完結させられて良かったです!閲覧ありがとうございました! (2019年8月15日 11時) (レス) id: 24de3ea6a1 (このIDを非表示/違反報告)
*まめ丸*(プロフ) - 完結おめでとうございます!!すごくよかったです!感動しました!!えるみさんと出会えてとても幸せでした!!そしてお疲れ様でした!!えるみさんの素敵な作品いつまでも待っています!!えるみさんや作品大好きです!!えるみさんの幸せを願って。また会える日まで!! (2019年8月14日 21時) (レス) id: 7b0adad536 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:えるみ | 作成日時:2019年7月13日 17時