29 甘い時間を、あなたと ページ30
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今まで会えなかった分を、穴埋めするかのように、長いキスをした。
焦凍の唇が、離れていく。
「……A。」
名前しか呼ばれなかったけれど、彼が何をしたいのかは、自分もそうだから何となく分かってしまった。
『ん、今日はダメ。お家に帰ってからね？』
ちょっと余裕を見せて、彼の唇を親指でなぞる。
「何でだ……。」
『炎司さん戻って来ちゃうし！こら、おしり揉まないのっ。』
「…………。」
『私も急いで、ご飯来る前に温泉入ってきちゃうね。』
「ダメだ、一緒にいたい。」
『も〜。汗かいちゃったから早く行きたいの！温泉出た後、くっついててもいいから！』
「……分かった。」
犬の耳がシュンと垂れているように見える幻覚は、もう見慣れた。
やはりしょんぼりしている焦凍は、可哀想だけど可愛い。
「なぁ。」
『なに？』
「もう一回。」
『本当に焦凍くんは、もう一回を強請りますね〜。』
昔から変わらない、そんな彼が可愛くて、
触れるだけの、優しいキスをした。
『ん。いい子に待っててね！』
手を繋ぐだけで恥ずかしがっていた、昔の自分が懐かしい。
「……A。」
『何でしょうか〜。』
立ち上がろうとしたのに、焦凍の腕に掴まってしまった。
私の耳元に、焦凍が顔を寄せる。
「帰ったら、覚悟してろよ。」
そう耳で囁かれ、私に向けられる彼の欲というものを、はっきりと実感してしまった私は。
『っ……！！』
茹でダコのように、真っ赤になってしまった。
「お、いつものAだな。」
『いつもって！！違うからっ、もう大人になったし！！』
「頑張って大人っぽく振舞ってるAも可愛いけれど、やっぱりそう、すぐ照れちまうAもすげぇ好きだ。」
『も〜！からかわないでよ馬鹿！！』
「馬鹿って言うAもすげぇ可愛い。」
『っもう、焦凍なんか知らない！！！……温泉、行ってきます。』
「おう、早く戻って来いよ。」
『は〜い…。』
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いるか(プロフ) - マツさん» コメントありがとうございます。良かったです！！楽しんで貰えてとっても嬉しいです！ (2020年7月2日 8時) (
レス) id: c05e25c036 (このIDを非表示/違反報告)
マツ(プロフ) - めちゃくちゃ面白かったです！一気に全部読んじゃいました！！ (2020年7月2日 4時) (レス) id: 268b713c99 (このIDを非表示/違反報告)
いるか(プロフ) - 怒らないで委員会会長mAKAさん» コメントありがとうございます！毎日投稿駆け抜けました…！とっても楽しかったです！デクのコメント結構考えたのでそう言って貰えて報われました！！ありがとうございます！！ (2020年7月1日 23時) (レス) id: c05e25c036 (このIDを非表示/違反報告)
怒らないで委員会会長mAKA(プロフ) - めちゃくちゃ好きです……！お疲れ様でした……！(デクの｢もう巻き込まないで欲しい｣が切実すぎて何気にツボでした！！) (2020年7月1日 23時) (レス) id: a3e985f800 (このIDを非表示/違反報告)
いるか(プロフ) - ミルフィーユさん» ひゃあああ！！とってもとってもうれしいです！！！！本当にありがとうございます。エンデヴァーが好きになった、この言葉が史上最高に嬉しいです！なんか嫌な予感がしてきますよね…無事にみんな、生き残って欲しいとずっと願ってます(泣) (2020年7月1日 20時) (レス) id: c05e25c036 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：いるか | 作成日時：2020年6月25日 18時
