【NARUTO】共に生きる11【はたけカカシ】

第355話 カカシside ページ6

ようやく病院から解放され、ナルトの修行はもう少し先の予定だったので、今日は家に戻り色々と片付けをしていた。


しかしその途端、突然誰かがドンドンと部屋のドアを激しくノックする。


「カカシ先生！！いるんでしょ！！」


どうやらサクラのようだ。声を聞く限り、随分と焦っているように聞こえた。


「はいはい、今開けるから少し待って...」


そう言いながら一応扉の覗き窓から確認し、それから鍵を開ける。


「なによサクラどうし...」

『先生！！A見てない！？』

「え...？A？今日はまだ見てないけど...何？また何か喧嘩でもしたの」

「まさか...ここにもいないなんて...」

「おーい？サクラ？」


目の前で良くない顔色をするサクラ。一体何があったというのか。


「...カカシ先生...大変なの。Aが...Aがいなくなっちゃったの...！」









すぐ様オレ達カカシ班が火影室に集められた。最初はただのすれ違いだと誰もが言った。

しかしアスマ達や他の同期達にも声をかけたり、探してみたが一向に里のどこにもAの姿は見つからない。


さすがにおかしいと踏んだオレはそのままAの家へ行った。声をかけても中から返事は帰ってこなかった為、少々乱暴だが扉を壊して中に入った。


中の様子を見て、その場にいた全員が目を丸くする。


あろうことか部屋は酷く荒らされていた。椅子の足は折れ、壁にはいくつもの傷跡。そして誰のものかもわからない血痕が度々散らばっていた。


この結果から出る答えはたったひとつ。Aは昨晩のうちに何者かに襲われ、そして連れ去られた。

直ぐに緊急事態として処理された今回の出来事に暗部の者も動いているらしい。


目の前で綱手様が冷静に判断を下す。


「今回のこの件...恐らく例の謎の忍達が絡んでるとみて間違いないだろうな...サクラ、昨日Aに何か異変は感じたか？」

「いえ...昨日はいつも通りだったと思います...アスマ班の全員と焼肉に行って、帰りもそのまま何事もなくそれぞれ帰っていきました」

「となるとAが襲われたのはその後だね...」

「っだったら早く助けに行かねーと！！」

「落ち着け！何の手がかりもないのにどうやって動くつもりだ！」


ナルトはこの緊急事態にかなり焦っているように見える。サクラも冷静さを取り戻せていない...


...あまりいい状況じゃないな。仲間が襲われたという事実が2人を蝕んでいる。とにかく2人には落ち着いてもらわないと...。

第356話 カカシside→←第354話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す