【NARUTO】共に生きる11【はたけカカシ】

第384話 ページ35

暁が動き出し、ナルトが本格的に修行を始めた。これはつまり物語がいよいよ中盤へとやってきているということ。ペインと戦う日が来るのも、きっともうそんなに遠くはない。


しかしそれよりも先にどうにかしなければならないのは......アスマ先生の死だ。


そこでこのメインイベントに今回はどう関わるのかというと......少し怖いけれど、一度救済を試みてみようと思う。


私が元の世界に戻った時、私はすぐさまNARUTOの原作本を確認した。しかし少なくとも私がいたにも関わらず、原作の本の世界は私が知っている内容となんら変わりはなかった。もちろん、私の姿も描かれていない。


確かな確証はないし、断言もできない。なのでこれはあくまで私の予想だけれど...もしかするとこの世界は、原作のお話とはなんら関わりがないのでは？


もしそうだとすればこの世界は、"原作そっくりに作られたまた別の世界"と言うことになる。


流石にこれ以上考えると、次元やらなんやらで頭がパンクしそうなので考えないようにしたいが...もしそうだとするならば、私がこの世界でどう動こうが原作に支障はない。つまり特に問題はないと言うことになる。


...しかしその保証も、また、ない。もし仮にそれが引き金となって未来が変わってしまったら？今のこの、原作に忠実な連鎖があるからこそ、私がいてもたまたま話がそのまま流れているだけであって、今後死ぬはずの人が生きたり、生きるはずの人が死んだり...未来が変わったり？あれ？何を言っているんだ私は？？


「...おう」


ミスった。のぼせてきた。そもそもこんな難しいこと風呂で考えるんじゃなかった。もう上がろう...。


「ふー...」


風呂から出て、脱衣所の冷たい空気を浴びる。少し頭がスッキリした。


...とにかくよくわかんないけど、もし本当にこれで未来が変わっちゃったら怖いけど...それでももう、これ以上死ぬとわかっている人を見殺しにするなんて、私にはできない。こうなったら私一人でどうにかしてやる。


もちろんアスマ先生が死ぬことは直接的には誰にも言わない。言うつもりもない。それで大勢が動いてしまい、未来が変わったとして...結局どれが引き金で未来が変わったのかわからなくなる...なんてことにならないようにだ。


アスマ先生には悪いけど...これは実験だ。どうせ死んでしまうのなら、せめて悪あがきくらいさせてくれ。どこまでならこの世界の未来に響かずに済むのか、自分の目で、確かめないと。

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