色 付 く 世 界 で。【煉獄杏寿郎】

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迎えた出張販売 当日.





思っていたよりも賑わっていて、人も多かった.










「 まいどありぃ！ 」





毎年欠かさず出店しているためか、大盛況.


次から次へとお客が来ては、硝子細工が売れていく.













「 わ〜〜、綺麗な硝子細工！ キュンキュンしちゃう〜〜！」





えｯ…めちゃくちゃ可愛いお客様が来ました.



しかも、お胸が……溢れ落ちそうなんですけどｯ！





「 こっちの髪飾りも可愛し、あっ、こっちの簪も！
とんぼ玉も可愛い〜〜 」





うん、貴女様の方がとても可愛いです、って言いたい.





まじまじとその人を見てしまったから、視線に気が付いたのかその人もこちらを見て、目が合った.





「 ご、ごめんなさい！
あまりにも綺麗でキュンキュンしちゃって… 」


『 い、いえ！お気にならさずに！ 』





少し恥ずかしそうに俯くその方.

仕草までも可愛い…





「 ここの硝子細工、とても綺麗ね！ 」


『 あ、ありがとうございますｯ 』





「 この簪… 」





一本の簪を手に取ると、首を傾げている.





「 あっ、これ禰豆子ちゃんが付けてた簪と似てるんだ！ 」



『 禰豆子ちゃん…!? 』



「 ……え？ 禰豆子ちゃんのこと知ってるの？ 」





禰豆子ちゃんのことを知っているってことは…、鬼殺隊の方？













『 あのｯ… 』





声をかけようとしたけれど、それは聞き覚えのある元気な声によって呑まれてしまった.





「 甘露寺！ そろそろ次の聞き込みに……… 」










『 きょ、杏寿郎さん！？ 』





人の流れから現れた彼に、思わず心臓が跳ねた.





まさか、ここで会うなんて思ってもいなかった.





杏寿郎さんも、「よもや、よもやだ」と驚いた様子.










けれど、





「 ……え…、えーーっ！？ 」





一番びっくりしていたのは、…後に名を知る甘露寺蜜璃さんだった.



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