Really no

◎ love at first sight ページ28

.

(ふたりが出逢い、付き合い始める頃のお話)

in.s




春

桜が舞う中、他県から転勤でこの学校にやってきた俺。
少し早めに着くともちろんまだ生徒はいなくて、せんせいも少なかった。


前の学校、楽しかったなぁ。とふと思う。新任ってこともあってか先生達はすごく優しくて、可愛い生徒ばかりで。
この学校も、そうだといいなぁ。




軽く校内散策をしていると鍵が空いている教室を見つけた。不用心だなぁ、と思いつつ中に入るとそこは音楽室だった。
ピアノやら楽器やらが沢山あって懐かしい気持ちになる。てか、久しぶりに入ったな、一応俺英語担当だから入ること少ないんだよね。




窓を開けると入ってくる風。気持ちよくて、眠くなってきた…いやだめだめだめ、しっかりしろ俺、！









「だれ…？」





ぺちっ、と両手で頬をたたいて喝を入れていると急に後ろから聞こえた不安げな声。
恐る恐る振り向くと、ここの制服を着た小柄で顔がものすごく綺麗な男の子が立っていた。




「あ、えっと、その〜」




「あの、単刀直入に申し上げたいんですけど、」


「ん？」









「好きです。」









顔を真っ赤に染め、俺を見つめてくる男の子。

もちろん俺は大パニックで、








でも、






この言葉が、これからの俺の生活に彩りを添えた。

.→←.

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す