Really no (ページ20)

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「もう終わろっか。」

「ちょっとまって！線香花火してない！」

がさがさと花火が入った袋から線香花火を2本取り出してきた。
線香花火、俺運ないし苦手なんだよね。
友達と大人数でやっても最初に落ちるのは決まって俺だ。
「またかよおまえ～」なんて揶揄われた回数は数えきれないほどある。

「今日はいけるぞ、おれ！」

自分自身に喝を入れてせんせいから線香花火を受け取った。
ここからは俺とせんせいの勝負でもあるんだ。

どっちが先に落ちるか、

いや、落ちるかじゃない、「落とす」んだ。
相手の線香花火を。

「ふふ、やまだくん必死だね～」

「せんせい、これは俺にとって命懸けなんですよ、」

「ええ～？敬語？てか楽しくやろうよ～」

少し呆れ気味に笑う彼の言葉は無視だ。
線香花火に楽しさなんていらない。

これで今年の運は決まったようなもんなんだ。

そこまで必死にやらないと、神様は俺に味方してくれないだろうから。
ばかなことを言ってるのは分かってる、
分かってるけど、もうばかでいい。

「絶対最後までいって終わらせてやる… っ」

「うん、頑張って？」

余裕ぶっこいてると、……… 今に見てろよ！
俺がせんせいの線香花火、落としてやる、っ

「え？それずるくない？」

「ずるくない、これがダメってルールねえもん、」

「あっ、ばか！」

せんせいの線香花火に息をふきかけてわざと動かした。
もうずるでもなんでもいい、必死なんだ。

なんて思ってるとばつをくらった。

「え、、、」

「あはは！落ちたね？」

せんせいの線香花火はとんでもなく動いてるのに、先に落ちたのは俺のだった。
やっぱりずるは神様許してくれないか。

そのまませんせいの線香花火は最後の最後までいき、綺麗に消えた。

悔しい、けど、楽しかったな。
多分、今までした花火の中で一番楽しい。好きな人とだからかな、？