Really no (ページ19)

今日:14 hit、昨日:2 hit、合計:114,668 hit

◎ My enjoyment ページ19

.

ym.s

バケツと数本の花火を持って向かうのは、前にイチャつきまくった海辺。

辺りは真っ暗で、携帯の懐中電灯がないとまともに目の前すら見えなくなるぐらいだった。

そんな中、俺の頼りは絡み合う手と手。
真っ暗だし人いないし、繋ぎ放題だよね、夜って。

「怖いねぇ、おばけ出るかもねぇ？」

「そんなこと言って、ほんとに出たらどうするの？せんせい大丈夫なわけ？」

「俺は余裕だよ～、おばけとか信じない派だもん。」

「へぇ、俺は信じてる派だからあんまりそういう事軽々しく言わないでね。」

こんなに堂々としてるけど、結構怖いんだよね、マジで。
だから、さっきせんせいが「おばけ出るかもねぇ」なんて言った瞬間寒気がした。

ばっかじゃないの、？って。

仕返しに、後で驚かしてやろっと。

「ここら辺でいいかな？」

「うん、静かにしてね、」

「いや誰が言ってんの、
1番危険なのやまだくんでしょ？」

「いやいや、せんせい絶対はしゃぎまわるじゃん。」

大人を馬鹿にすんな！って喚いた5分後、彼は久しぶりの花火にテンションが上がりまくってた。
ほら言ったじゃん、俺がどれだけせんせいのこと見てると思ってんの。

こうなることぐらい分かってんだよ、俺は。

「はぁ、」

「なぁに、どうしたの？」

「なんもないです、」

もう疲れた。まだ1本しかしてないのに、体が動かない。暑いし、せんせいやっぱりテンション上がりすぎだし、ため息しか出ない。

しゃがんで青色に光る花火を見つめてると、急に隣にしゃがみこんできたせんせい。

そして、ふわっと頭を撫でて下から除きこまれた。

もしかして、泣いてると思ったの？

「やまだくん、楽しくない…？」

「楽しいよ、すっげぇ楽しい。
俺も花火、久しぶりだし。」

「そっか、よかったっ」

目を細めて笑うせんせいの笑顔は、俺を毎回元気にさせる。
その笑顔が見れたら、勉強だってなんだって、頑張れる気しかしないよ。

花火をしようと提案してくれたのはせんせいで、色んな意味で「大丈夫なの、？」と少し不安になったけど、彼は笑って「バレない限り大丈夫だよ！」と自信満々に、胸を張ってこたえた。
その時のせんせいは、今でも思い出すとにやけちゃうぐらい可愛かったな。