狗巻棘の双子の妹【呪術廻戦】

38color ページ40

□



『ぅっ…』



嘘、気を失ってた…？

徐々に目を開けていくと、眩しい太陽が目に入る。



『(……おに、ぃちゃん？)』



自分の体が包まれていることに気がついたのはすぐだった。



『っあお…！』



私はお兄ちゃんの腕の中にいて、私が起き上がればスルリと抜けられる。



『(きっと、咄嗟に私のことを守ってくれたんだ…)』



うそ、そんなっ…！！

嫌だ嫌だ…！



『おかか…！！っめんたいこ…！』



ポタポタとお兄ちゃんの顔に私の涙が落ちていく。

息はあるはずなのに、目を覚ましてくれない。



『ぉ、に…っちゃ』



無我夢中で寝ているお兄ちゃんを力一杯抱きしめる。



『(お願い、目を覚まして…っ)』



なんで？どうして？

____私のことなんて、守ってくれなくていいんだよ…。



















「…だ、がな…っ」



















ポンと私の二の腕あたりに手が置かれた。



『ぁ…っ』


「づなま"よ…」



少し起き上がってお兄ちゃんの顔を見ると、うっすらと目が開いていた。



『ぅっ…ぁっ』


「めんたいこ」



「大丈夫だよ」って頭を撫でられる。

私はお兄ちゃんにもう一度抱きついて声にならない声を出しながら、涙をたくさん流した。



□

39color→←37color -side no-

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す