狗巻棘の双子の妹【呪術廻戦】

10color［過去編］ ページ12

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それから、月一回とかに訪ねてくれるようになった五条さん。その頃から「強い仲間を育てたい」と言っていた。



「んー、Aと棘が一緒の語彙使ってるとたまに訳わかんなくなるんだよね」



11歳の時。

天井を仰ぎながらそう言う五条さんの言葉がきっかけだった。



「高菜？」



「そうかな？」とお兄ちゃん。私も「明太子」と同意。



「僕ずっと考えてたんだけどさ、Aは“色”使うのどう？」



色…。

例えば、赤色とか青色とかってことかな？



「とりあえず虹色の7色を基本にしてさ、わかりやすく赤は肯定、青は否定。どう？」



五条さんは近くに置いてあった筆談用の用紙に手を伸ばしてわかりやすく色ペンを使って説明してくれる。

赤色は“しゃけ”と同じで青色は“おかか”と同じ…。

使いたい、かも。



『あか！』


「おかか！」



……あれ？

隣にいるお兄ちゃんを見ると胸の前で手をクロスさせていた。



「え、棘がダメなの？」


「おかか！」



お兄ちゃんは「ダメ」と一点張り。



「Aと一緒がいいの？」


「しゃけ」



私は「え〜」という顔をする。

せっかく五条さんが提案してくれたのに。



『あお！』


「おかか！」



思わず「むぅー」と2人で睨み合う。

私は気に入ったのに。



「ま、とりあえず保留ということで」



















.



















『すじこ、高菜』


「明太子」



五条さんが帰った後「なんでダメなの」と先ほど五条さんが使っていた紙で反抗する。

するとお兄ちゃんは「一緒でいいじゃん」と付け足す。



『…ツナマヨ』



一卵性だから顔もそっくり、髪と目の色もそっくり。極め付けは、呪印。それに加えてお兄ちゃんの方が優秀だから私は何か違うものが欲しかった。

これだけは譲りたくなくて「おかか！」と言い続ける。



『……明太子』


「す、すじこ…！」



中々折れないお兄ちゃんに、私はついに奥の手である「もう一生口利かない」と紙に大きく書くと慌てるお兄ちゃん。



『高菜、つなまよ！』


「しゃけしゃけ！」



畳みかけるように囃し立てれば「わかったから！」と大きく頷くお兄ちゃん。



『ツナマヨー！』



「ありがとう！」とお兄ちゃんを強く抱きしめると「しょうがないなあ…」という顔でお兄ちゃんも抱きしめ返してくれた。



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