だからもう、会えないや【紫】

#008 ページ9

辰哉side




あとは痛み止めもらって帰るだけ。








ﾊﾞﾝｯ


『あ、ごめんなさい。けが、ないですか？』


「大丈夫です。こちらこそごめんなさい。」


『全然。急いでて、すみません。』





あれ？あの子、、






今、一瞬だけ見えた顔が
俺の記憶が確かならば
昨日の子と一緒じゃない？






「あ、あの。」


『はい？』


「昨日の、、」


『あ！電車の！！』
『足、大丈夫でしたか？』


「全治2週間の捻挫で笑」


『あら、笑結構痛そう、、』


「これぐらいすぐ治りますよ笑」


『すぐ治りますように笑』
『じゃあ、ちょっと急いでるんで、失礼します。』









あ、行っちゃった。
あれ待って、いま赤ちゃん抱っこしてなかったか？あの子
まさかの子持ち？まじかよ









岩 「ふっか」


「え？照？？」


岩 「マネージャーが病院だって言うから迎えに来た」


「あ、ありがと」



岩 「お前なんでそんな死んだような顔してんの。まさか骨折した？？」


「照、俺恋したかも。でも失恋した」


岩 「は？」







やべ、言っちゃった
でもあの気持ちは恋以外なにものでもない。はず
おい俺、彼女振られたばっかだぞ
まさかの一目惚れかよ






岩 「お前、大丈夫か？」


「あ、ああ。なんか頭から離れないんだよ」
「これって恋かな」


岩 「恋じゃね？わかんね笑」


「やっぱ恋か。照、俺一目惚れした」


岩 「そ。てか、怪我は？折れてた？？」


「そんなにあっさりしてんの？え？ひかる？」
「俺、恋、したんだよ？」


岩 「そんなの人の自由だろ。アイドルだって恋するんだよ」


「だって彼女と別れたばっかだよ？」


岩 「それも人それぞれ。で、怪我は？」


「そっか、そうだよな。」
「あ、怪我は。全治2週間」


岩 「じゃあサマパラも間に合いそうだな。よかったわ」


「うん。とりあえず安静にしてすぐ復活する」


岩 「ちゃんと安静にしろよ」


「わかってるわ！笑」

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