6話 ページ8
ジェルside
やっぱし…Aって…
これは随分の昔の話になるんやけど…
俺は小学3年だった。
他校の2年の子が…道端で転んで血だらけになってたんよ。泣いてて。
手当てしようと思って、俺の家に連れて帰ったん。
でも…血だらけやから…血が飲みたくて…飲んじゃったんよ。
そしたらな?美味しくて…首にすごい勢いで噛みついちゃったんよ…
それで大泣きしちゃって…俺はそれから、気をつけてた。
でも、小学生の頃は…みんなから距離を取られてた。
今は全然なんだけどな。
俺…謝れてないわ…謝らんと…
「A」
『はい?なんですか?』
「ごめん…」
『?何がですか?』
「怖がらないで聞いてくれるか?」
『はい…』
だめや。俺、ちゃんと言わんと。
「俺…Aと会ったことがあるんや。小学生の頃」
『っ…もしかして…』
「そう。首思いっきり噛んだの俺なん」
『…』
「ごめん…でも俺から離れんといて?」
お願いをする。まぁ…無理なことは分かってるんやけど…
『当たり前じゃないですか!私もモヤモヤ消えましたし!』
「ほんま…か?」
『本当ですよ』
「ありがとっ…ありがと…」
本当にありがとう…
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れん - まさかのなーくんが! (2023年2月14日 14時) (レス) @page43 id: 2201e3642e (このIDを非表示/違反報告)
あまね - …最後のあたり、ゾクッとしました。いろんな内容が詰め込まれてて面白かったです!(^o^)! (2021年11月23日 9時) (レス) @page43 id: 85362d7a8a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ゆぅ | 作成日時:2021年1月22日 17時