鬼殺隊の最強戦力はまさかまさかの最年少！≪参≫

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「兄には、"継子"がいませんでした」


千寿郎くんはぽつり、とつぶやくように話し始めた。


どんなに稽古をつけてもらっても、どんなに鍛錬しても、それでも日輪刀の色は変わらなかった。


自分が継ぐべきだったのに、炎柱の長い歴史に呆気なく皹が入った。


その辛さはきっと、想像を絶するもののはずだ。


「剣士になるのは諦めます」


この一言に、どれだけの勇気が詰まっているのだろう。


「それ以外の形で、人の役に立てることをします

炎柱の継承は絶たれ、長い歴史に傷がつきますが」



「兄はきっと、許してくれる」


優しい笑顔を浮かべてその決断をした千寿郎くんの勇気は、意志はとても強いものだった。


「自分が正しいと思う道を進んでください」

「千寿郎さんを悪く言う人がいたら俺が頭突きします」

『それはやめてお兄ちゃん』「それはやめたほうがいいです」


「……」


あれを一般人が受けたら間違いなく死ぬからね、そこに気づいてほしい。


「"歴代炎柱の書"は私が修復します。ほかの書も調べてみます。

父にも…聞いてみて、何か分かったら鴉を飛ばします」



「お話ができて良かった
気を付けてお帰りください」

「いいえ、こちらこそありがとうございました」

「そうだ炭治郎さん、これを…」

「兄の日輪刀の鍔です」


「い、いただけませこんな大切なもの…俺は…」


「持っていてほしいんです。きっとあなたたちを守ってくれる。

それに僕は、兄の想いを戦いの場には連れていけない」


「…ありがとう」



千寿郎くんの想いも、杏寿郎の想いも。

私たちは必ず、一緒に持っていくから。


託された分も必ず。



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