鬼殺隊の最強戦力はまさかまさかの最年少！≪参≫

焦り ページ18

「ハァ、ハァ…………」

「ハァハァ………」


どうしよう、どうすれば夢から覚められるの？

鬼はどこにもいないじゃない。


行く手を阻むかのように強くなる風が鬱陶しい。
ずっとこんなところにいたからか、すごく寒い。

「肺が、凍りそう…」

「ああ、俺もだ。…どうしたらいいんだ…」


スンっとにおいをかぎ、耳を澄ます。


「おかしいよ…」

「匂いはするんだ…」

「僅かに、だけど、匂いも音もするのに…」

「なんだか、膜がかかっているみたいだ…」



どこからでも鬼の匂いがわずかにするし、どこからでも鬼の音がする。

でも、それはどこも同じ音で、鬼はどこにもいない。



「鬼は、夢から覚めないと、列車の中にいるってこと…？」


「だとすれば、早く目覚めなきゃまずい…」


「早くしないと……！！
禰豆子も血を流している。」

「みんなも眠っているはずだから…早く目覚めないといけないのに…！」

お姉ちゃんが、血を流している。

おにいちゃんから聞いた。お姉ちゃんは血を燃やす血気術を使うこと。眠って回復すること。ほかにもたくさん聞いた。

でも、たくさん血を流しすぎると回復に時間がかかる。
人を襲わないとは、言い切れない。

しかもこの状況。恐らく杏寿郎も善逸も伊之助も、みんな眠っているはず。
お姉ちゃんを止めることも、助けることも、誰も出来ない。


ひたすら走る。
息があがってくる。


「全集中の呼吸が使えていないの…？

寒いから？それとも血気術のせい？」


焦りが私たちを支配する。



その時だった。









亡き父の声が聞こえたのは。








⋅

斬るべきもの→←精神の核

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す