bar big bearへようこそ！2 (ページ41)

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横子さんの憂鬱⑭ ページ41

横子さんの告白

「取り越し苦労っていうやつね。」

「それですよ。」

「そうなのかなぁ。
私ね、弟たちの親代わりしてたから、いっつも何かにつけて心配していたの。

その癖が抜けないのかしら？」

私、何でここでこんな話、してるんだろう。

気がついたら、自分の話をしていた。

「横子さんも苦労してきたんだ。」

「母親代わりですか？」

「はい。
母親が働いていたため、家に帰るのが遅くて。

だから必然的に・・・。」

「家事を全部やってきたんですね。」

「そうなんです。
もう弟たちも自立したんですけど、
自分の癖って、なかなか直らないのかなぁ。」

「横子さんは、何か目指すものとか、夢とかあるんですか？」

来た、来た、ド直球。

今度はおーくらさんからやって来た。

あ、この人たちはちゃんとした夢がある。

今、それに向かい歩き進めているんだった。

それに引き換え、私は・・・。

「私、母が離婚した時に、自分の夢も諦めたんです。

今は自分の事、言ってる場合じゃないって。

それからがむしゃらに暮らしてきたんだけど、気がついたら私、自分の夢もやりたかったことも、すべて忘れてしまっていたの。」

こんな話するんじゃなかった。

この人たちに聞かせても、どうしようもない
話なのに。

あー、自己嫌悪になりそう。(泣)

夢もないなんて、恥ずかしい。

「あら、私だってまだ夢は持ってないわ。」

倉子ちゃんからの以外な言葉。

「まだ出会ってないだけなのよ。」

出会ってない、だけ？