横子さんの憂鬱�� ページ35
やすと横子さん〜やすside〜
「あ〜、早く帰ってきてくれないかなぁ。」
今日も、bar bigbearでのお仕事。
いつもと変わらないはずなのに、違うのは
大倉が今日はいないという事。
一人でのお店番。
めっちゃ寂しいやん。
あのでっかい体が隣にいてくれへんと、
心細い。
海外に行ってた時は一人でも全然大丈夫やったのに。
甘えてるんだろうか、彼に。
もっとしっかりしなくっちゃ。
それにしても、お客様来ない。(泣)
お客様のお相手してたら、少しは気も紛れるのに。(泣)
店の入口を見ると、人影らしきものがちらちらしていた。
「誰だろう？
お客様かなぁ。
なら、良いんだけど。」
近くの窓からこっそり見ると、
入ろうか、入らないか迷ってる人が見えた。
入ってきてくれないかな？
大倉が帰ってきた時にお客様来なかった〜って言ったら、ガッカリするだろうし。
迷ってる人の顔がちらっと見えたら、
「あ、横子さん。」
彼女を店に招きいれるために、店の入口のドアを開けた。
「あの〜入らないんですか？」
突然の事に横子さんは、狐につままれた顔をしている。
「どうぞ、
いらっしゃいませ。」
良かった〜。
お客様、みっけ！
ちょっとほっとした顔で横子さんはカウンターの隅に座った。
「今日はおひとりなんですね。」
「そうなんですよ。
今日は大倉はちょっとでかけてまして。」
「え？どちらに？」
「カフェの下見にいってるんです。」
大倉の夢でもあり、俺の夢でもある事に一歩近ずくかもしれない。
「お二人の夢？」
「はい、そうなんです。」
「海が見える場所で、のんびりカフェを
やるのが夢なんですよ。」
「まぁ、素敵。」
「仲間がいつでも集まれるようなお店、
くつろいで貰える店を作りたいんです。
できれば、いつでもその場所では、心地よい音楽が流れていれば最高なんやけど。」
「そうなればいいですね。」
「は、はい！」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：niko | 作成日時：2019年12月27日 22時
