bar big bearへようこそ！2 (ページ33)

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横子さんの憂鬱⑥ ページ33

横子side

「倉子ちゃん、もうこんな時間になっちゃった。」

「あ、ほんとだ。」

「もう帰らないと。」

「そうよね、明日も仕事があるんだし。」

「じゃあ、私帰るわね。」

「一人で帰るの？」

「あら、駄目かしら。」

「女性を一人で帰らせるのは、まずくない
ですか？」

「あら、くまさん。
私いつも一人で帰るけど。(笑)」

「あー、(焦)」

「俺が送っていきますよ。」

「丸山さん、悪いわ。」

「ええですよ。
俺も帰らんと、明日の仕込みもあるし。」

「そう？いいかしら？」

「俺も送れますよ。」

「あら、村上さんまで。」

「ありがとうございます。
そんな二人して・・・。」

「あの～私もいるんですけど。」

「わかった。
横子さんと丸山さん。
倉子さんと村上さんで帰ったらどうですか？」

安田さんが明快な事を言った。

「それが良いわ、倉子ちゃん。
ね、村上さんも丸山さんも。」

「じゃあ、そうしましょ。
今日はこれにて、お開きということで。」

「また来てくださいね。」

「はい、今日はすごく楽しかったので、またおじゃましたいです。

ね、丸山さんも。」

「さ、さぁ、帰りましょう。」

「は、はい。」

そう言うと、二人で外に出た。

「ちょっと飲みすぎちゃった。」

「横子さん、大丈夫ですか？」

「はい。」と言いながらちょっと酔ったふりをした。

仕事の時もいつも私に気を使って笑わせてくれる丸山さんの事が気になって仕方がなくて。

倉子ちゃんにちょっと相談しようと思ったんだけど、こんな展開になるなんて。

「あの店主の方々と丸山さんはどういう関係なんですか？」

「高校の同級生なんです。」

「あら、そうなんですね。
じゃあみんな、タメ・・・ということで。

仲良しだったんですか？」

「まぁ、そういうことになりますな。」

「そうなんですね。」

「俺と大倉は、同じ人を好きになってね。」

「え？」

今でも？
それからどうなったの？

結局、家に着くまで、この疑問を解消は出来ずにいた。

胸のドキドキも、おさまらない。

また明日、あのお店に行って見ようかしら。