横子さんの憂鬱�� ページ30
丸ちゃんside
あ〜、今日も終わった。
店の片付けをして帰り支度をしていると、
携帯が突然鳴った。
誰だ？こんな時間に。
携帯を取るとそこには、大倉の文字。
なんや、あいつ。
「もしもし〜。」
「はよ出ろや！」
「相変わらずやな、もう。(笑)
人の所に電話してきておいて。
それで、何ですのん？」
高校の同級生。
同じクラスの悪友。
そして、恋敵。
「すぐにうちに来い！」
「何でなん？」
「何でもいいから。
あ、それでな、あれ持って来いよ。」
「あれ？」
「ケーキ、お前が作ったケーキ。」
「何で知ってますの？」
「いいから今すぐ来い！
理由はその時わかる！」
ガチャン、プープー・・・。
もう〜何がなんだか、わかりませんわ。
でも、はよ行かんとますます怒られますわな。(笑)
冷蔵庫を覗くと、ケーキがそのまま鎮座していた。
あれ、横子さん、食べられへんかったのかな？
まぁ、また作ればいいから、持ってくか。
ケーキを急いで紙袋にいれ、店の戸締りをして、鍵をしめた。
やすに会うのも久しぶりやなぁ。
なんたって、あのでかい関門がいて、邪魔するんやから。
高校時代は、確かに好きやった。
誰に対しても、優しくて。
可愛くて、愛らしくて。
ほんまはみんなが、やすを狙っていた。
が、そのつどおおくらに撃墜されてしもうた。
あの、バキバキの目で睨まれると、
かなわない。
俺がやすを狙っていたことを知ってたから、
奴は今でも、俺に対して上から来はる。
さぁ、また怒らえてしまう前に、急がなくては。
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作者名：niko | 作成日時：2019年12月27日 22時
