bar big bearへようこそ！2 (ページ13)

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倉子ちゃんと猫のつんちゃんと村上さん3 ページ13

倉子side

「それじゃ明日からよろしくお願いします。」

「こちらこそ、よろしくね。
章ちゃんには俺から電話しとくよ。」

「ありがとうございます。
お願いします。」

そう言って店を後にした。

いいもん、私だって後で安田さんに会いにいくもん。

一日一回、顔見たいのよ、乙女心よ。(笑)

barに毎日行きたいのもあって、アルバイトするんだから。

あ、そうだ、思いだした。
猫ちゃん、どうしたかしら。

アパートに帰る途中、猫ちゃんが食べれそうな物を買って家路を急いだ。

近くまで帰ると、まだ猫ちゃんの声がしていた。

「まだ、いたのね。」

私は声の主を探した。

「おいで、おいで。」

すると、小さい子猫が柱の影から顔をのぞかせた。

「あなただったの？」

「にゃぁ。」

すると、しゃがんでいた私のワンピースに顔をつんつんしてきた。

「あなた、お腹空いてるの？」

「にゃぁ。」

買ってきたコンビニの袋から、猫チュールを
取り出し、早速猫ちゃんの顔に近ずけてみた。

よっぽどお腹が空いていたのか、飛びつくように舐めはじめた。

「あーあ、そんな所で猫に餌をやってはあきまへんで。」

突然、隣から男の人の声がした。

「え？」

「だから、無責任に餌与えたら、あきまへんわ。
餌やるなら、ちゃんと飼ってもらわんと。」

突然の事にびっくりしていると、

「だから野良猫が減らんのですわ。
おたくらみたいな、中途半端な人がおるから。」

あまりの暴言に、カチンとしてしまった。

「飼いたくても、飼えないんです！
アパートなんで。」

「何処のアパートや？」

「ここですけど。(怒)」

「あ、うちのや。」

「はぁー？あなたのアパート？」

「そうや、
あ、言い遅れましたわ。
私、ここのアパートの持ち主で
村上って言います。」

「あなたね、そんな事言うのなら、ペット可のアパートにしてから物言って欲しいわ。」

「せやな、確かにやわ。」

私たちの言いあいを知ってか知らずか、
猫ちゃんは黙々とチュールを食べ続けていた。