短編「思い耽る」中 ページ46
吹雪士郎
こいつは、基本的に天然でマイペースな性格をしていた。
その優しげな口調や穏やかな雰囲気、タレ目なこともあって、一見弱々しく見えるのだが、北海道の白恋中サッカー部キャプテンでエースを務めているのもあって、根はしっかりした頼りがいのある少年なのは違いない。
実際、その実力は世界でもトップクラスなのだから。
おまけに仲間思いで、周りの人とも良好な関係を保っているみたいだし、…道行く女子にはキャーキャー言われるほどモテる。
ここまで来ると、「はいはい、ただのイケメンか。」の一言でおわるのだが、実は彼、相当な腹黒であった。
笑顔で悪びれもなくやってのけるいわゆるSっ気の強いクソ野郎である。
しかも私限定だというのが余計ムカつく。巫山戯んな。
私が知る中で他にもいたずら好きな少年はいたが、あの子とはまた別格の次元だ。あっちの方がまだ可愛げがある。
頭の中で耳障りな「酷いなぁ」とかの幻聴が聞こえたが、明々白々の真実なんだからどう言われようが構わない！
幾度となく彼に散々してやられたことか。
おまけにFFIでの優勝後は故郷の北海道に帰ったのにも関わらず、ちょくちょくやってくるし。
北海道だぞ？ご近所感覚で来るなよ。
そのせいもあって、敵チームの同じ背番号の人たちよりも、あいつの顔をすぐ思い出したわけだが…、
「そういや、なんであいつの背番号知ってんの？」
ふいに疑問が出てきてセインに聞けば、理由は如何にも彼らしい答えが返ってくる。
「覚えるくらい造作もない。」
「まあ、セインならそうだろうけど…」
「なんだ？」
「…別に、大したことじゃない。」
彼の記憶力を疑ったわけじゃなく、単純に彼の頭の中で「背番号＞見た目」ってなっているのが気になっただけだ。
…存外、会話する関係でなく、たった2回の試合をしただけに過ぎないからだろうけど。
「ーで、その"吹雪さん"がなんだって？」
話をもとに戻す。
「ああ…、それでAは、彼奴を異性として見」
「それはない。絶対にない。」
セインが言い切る前にまくし立てた。
有り得ないし、僅かにでも可能性があるのだというのなら即効で潰す。
「…わかったから落ち着け。」
「大丈夫。落ち着いてる。」
「続けるが、私の目にはあれと気心が知れた仲にみ」
「見えない！」
「見え」
「断じて違う！」
「……皆まで言わせろ。」
「嫌。」
呆れられたが、こちらも引くわけにはいかなかった。
短編「思い耽る」後→←短編「思い耽る」前 ※キャラ崩壊吹雪くんでます！ごめんなさい。
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沙稀乃(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» ありがとうございます！(*´∇｀*)私の頭がポンコツのため、なかなか進みませんが、よろしくお願いします！\( ˙▿˙ )/ (2021年11月5日 0時) (
レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを待ってます！(*´ω｀*) (2021年11月3日 20時) (レス) @page40 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - ピータンさん» コメ、ありがとうございます！！凄く面白いと言われて、もう既に心が有頂天になってるんでまともに返信ができませんが、本当に嬉しいです。ありがとうございます！更新のろのろですみません…！ (2020年8月21日 16時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
ピータン(プロフ) - すごく面白いですね！これ野坂君がもっと大きくなったらどうなるんだろう？これからも楽しみにしてます！ (2020年8月21日 11時) (レス) id: d4faf78640 (このIDを非表示/違反報告)
沙稀乃(プロフ) - こさめさん» え！？本当ですか！！ありがとうございます！！コメント本当にありがとうございます！嬉しいです！ (2020年8月18日 17時) (レス) id: 5e2cd7ca09 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：沙稀乃 | 作成日時：2020年4月12日 12時
