真意と後悔 ページ4
一乃の武器は、連射式のリボルバーだった。しかし、殺すつもりはない。発砲して脅し、倉間が怯んだ隙に逃げ切ろうと考えていた。脅すのだから、本気で殺すつもりのように見せなければならない。
「太陽。お前の武器は？」
「短剣です。一乃さんは……」
太陽が言い切る前に、銃声が響いた。倉間の足が止まる。
「動くな倉間。生き残りたいだろ？ 生き残りたいから、仲間を平気で殺したんだろ？」
倉間の包丁よりも、一乃のリボルバーの方が圧倒的に有利だった。倉間は表情を歪め、ジッと身構えたまま一乃と対峙した。
「平気で……か。確かにな。でも何故だろう？ ずっと頭に焼き付いて離れないものがあるんだ」
「……え？」
三国を見捨てて逃げる間際、速水が倉間に向けた、あの表情。
憎しみに満ちていた。
いつもの弱気な彼は、そこにはいなかった。
直後、倉間は激しい罪悪感に駆られた。しかし、もう後戻りはできなかった……。
「もう、戻れない。もう、サッカーは二度とできないんだ！！」
そう叫んだ倉間の声は、悲鳴に近かった。一乃と太陽は、喉元に刃を突きつけられたような感覚がした。……声が、出ない。
それはきっと、心のどこかで理解しながらも否定し続けてきた事実を、はっきりと口にされたから。
「もう、いいよ。一乃、俺を殺せ。俺を止めてくれ」
「………倉間」
「早くしろ！ 殺さないなら、俺がお前らを殺すぞ！！」
動かない一乃に苛立ち、倉間は声を荒げた。太陽は心配そうに一乃を見たが、やはり彼は発砲する気配を見せない。人差し指を引き金にかけたままだ。
「一乃さん。ダメなら、俺が殺しますよ」
太陽の言葉。一乃は首を横に振り、意を決して銃口を倉間へ向けた。
「……俺は青山に誓った。可能な限り生き残ってみせると。倉間、お前が仲間を殺し続けるなら、俺がお前を止める」
「………ああ、そうしてくれよ」
倉間の表情は落ち着いていた。そしてどこか、安心しているかのように見えた。
しかし、その瞬間。
「おいおい、自ら死を選ぶのかよ？ ダセー野郎だぜ」
緊迫した空間に、一乃へ銃口を向けた水鳥が、茂みの中から現れたのだった。
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紅蘭 - 続き楽しみにしています！更新頑張ってくださいね！ (2020年5月3日 20時) (
レス) id: c9c79794b0 (このIDを非表示/違反報告)
浜野鶴正 - 更新お願いします (2018年7月28日 1時) (レス) id: 76900bd172 (このIDを非表示/違反報告)
常連客 - 頑張って下さい。面白いですね、○し合いなのにグロ要素が無いという全年齢対象で、とっても良いと思います。浜野防弾チョッキって最強(？)じゃん・・・；； あれ？倉間ってナイフじゃなかったっけ？？・・・・・あ！水鳥のか・・・ｗｗｗ (2015年5月27日 10時) (レス) id: e00034d299 (このIDを非表示/違反報告)
モブ子 - 面白いです！浜野がなにげに生き残りそうです…更新頑張ってください！ (2014年12月14日 15時) (レス) id: 9b39510a3b (このIDを非表示/違反報告)
ルナ - 続きが楽しみです！ (2014年11月14日 22時) (レス) id: 41ef129427 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ココナッツ | 作成日時：2013年5月7日 17時
