【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】Ⅱ (ページ33)

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準決勝から数日後。
豪炎寺よりも時間はかかったが、ついに捻挫も背中の傷も完全に治った白石。学級委員長としての仕事をこなし、雷門の練習着を身に着けて部室から出て歩いていれば、マネージャーである春奈がこちらに走ってきた。

『音無さん、どうしたの?』

「ランニング中、土門さんがいきなり列から離れちゃって。マネージャーとして追いかけにきました!」

『土門くんが…?』

「はい、突然いなくなったらしくて」

『……』

白石は先ほど出てきた部室を眺める。

「白石先輩?」

『いや……俺も雷門の先輩として土門くんを探しに行こうかな』

突然の白石からの提案に、てっきり直ぐにでも練習に参加すると思っていた春奈は少しだけ驚いた。だがすぐに「一緒に行きましょう!」と白石の隣に並んで、土門がいる方向へ歩んだ。

「白石先輩、雷門の入った順とか気にするタイプなんですね」

『はは、そこまで気にしてないよ。仲間は仲間でしかないし、早い遅いで偉いとか偉くないとか、そんなに興味ないからね』

「え?じゃあなんで今…」

探しに行こうとしてるんですか、という春奈の声は、突然止まった白石の行動によって遮られてしまう。彼に促されるように目を向ければ＿＿、

「お兄ちゃん」

「ッ!?」

帝国学園のキャプテンであり、音無春奈の血のつながった兄＿＿鬼道有人の姿があった。