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大きな砂埃を起こして落下した三人。
かろうじて動くことができた下鶴が杉森にボールをつないでいるところまで確認できた白石は、痛みを耐えながら豪炎寺と下鶴を見た。
『ご、えんじくん…っ大丈夫?』
「あ、ああ……ッ大丈夫だ…」
『そうか……下鶴くん、君は』
「心配ない、それよりも、君が……」
『俺も、平気だよ。
……五体満足とは…言えないけどね』
そう言って仰向けになった白石は、静かに目を閉じた。
何も話さなくなった彼に豪炎寺が気づき、A?と彼の名前を呼ぶが返事はない。肩を揺らしてみても、手を握っても反応はなかった。
雷門の勝利で試合が終わり、皆が勝利に歓喜しているなか豪炎寺に近寄った染岡と円堂が異変に気付いた。
「A?A!!どうしたんだよ!?」
「円堂。さっきから、返事が、……無いんだ」
「な、オイ白石!!しっかりしろッ!」
オイ！と染岡が強い力で肩を揺らすと、痛みで目を覚ました白石が彼に微笑みかける。
『聞こえてる…ごめ、ちょっと……思いのほか痛かったかも……』
「A…!!」
「お前、大丈夫なのか?」
『たぶん……それより、試合は』
「俺たちの勝ちだ、白石」
白石の問いに答えた風丸は、彼の近くに膝をついて自分の肩に白石の腕を回した。
豪炎寺も染岡に同じように支えられている。
円堂は白石のことを気にするようなそ素振りを見せながらも、またサッカーをやろうという約束と共に杉森と固い握手を交わしていた。
「白石」
『……試合中に言ったこと、訂正するよ、杉森くん』
風丸に支えられながら、白石は拳を杉森の胸に当てる。
どこか嬉しそうな表情につられるようにして杉森も笑みを浮かべた。
『今の君たちとなら、相性は最高かもしれない』
「……お前にそう言ってもらえるなら、間違いはないんだろう。」
『ああ、俺は本心以外言わないよ』
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作者名：-naki-
x他1人 | 作成日時：2018年6月3日 13時
