【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】Ⅱ (ページ23)

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後半戦開始早々、御影は全員が守りの攻撃を徹底していた。
タイムアップまで粘りに粘って、雷門が点を取れなくなったところで最後の仕掛に移るつもりだろうか。前半と同じように敵選手に囲まれながら、白石はゴール前を守る円堂に目を向けた。

「どうする?俺もあがろうか?」

「クッソォ……攻めて来ないんじゃ、ここに居たって仕方ない!」

「え、えええ!?」

『……ははっ』

中々進まない試合展開を見かねた土門が円堂に声をかけるが、円堂はその言葉に応えることもなく前線まで突っ走ってくる。
キーパーがいなくなった雷門のゴールは、突然走り出した円堂を止められなかった土門が慌てながらも守ろうとしているようだった。

白石は相手からボールを奪ってドリブルを進める円堂に笑みを零すと、彼に背を向けて土門のところまで退がる。

「し、白石!!円堂のやつ何やってんだ!?」

『サッカー、じゃないか?』

「ゴールをがら空きにして…?」

『まあ、結構無謀なことをするなぁとは思ってるけど……』

白石が視線を向けると、円堂は杉森に向けてシュートを放った直後だった。

『円堂が前線に出るなら俺たちが下がればいいし、なんとかなるよ』

「……白石、お前って結構円堂と考え方似てるよな」

関心を通り越して呆れた声を出す土門に白石はいつも通りの笑顔を向けて、染岡に「円堂ー!早く戻れー!」とどやされているキャプテンをゴール前で迎えた。

「土門!A!」

「円堂。無茶はやめてくれよ」

「悪い悪い!
でもさ、こっから楽しくなると思うんだ、俺」

そう言ってキーパーグローブを深くはめた円堂。
白石は前半戦とは顔つきの違う杉森をしばらく眺め、ああやっとだな、と呟いた。