【イナズマイレブン】怪傑の奇術師【男主】Ⅱ (ページ15)

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「はぁ、はぁ……」

『大丈夫?豪炎寺くん……』

「……お前もな」

時間制限が解かれた修練場のなか息絶え絶えで会話をする白石と豪炎寺は、数十秒前まで無数に迫り来るボールをただ蹴り返していた。
言葉で説明すると安易に聞こえてしまうが、これがとんでもなくキツいのだ。

『ん、』

「……悪い」

白石は豪炎寺に手を伸ばし豪炎寺がその手を取ると、余っている力で彼を立たせた。

お互いボロボロの体で出入り口に向かえば、そこには同じように修練を終えた仲間達の姿がある。床に背中をつける形で横になったり、座り込んだり。休む姿は様々だが、ボロボロというのは全員共通だった。

「あ、A……!」

『無理に立たなくていいよ守。
……流石に今回は、俺も疲れたし』

豪炎寺と座り込むように床に腰を下ろした白石はそのまま後ろへと倒れる。
練習義越しにひんやりとした床の冷たさが伝って、熱くなった体を冷ましているようで心地良かった。

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それからと言うもの、雷門は御影専農との試合の日まで力をつけるべく修練場に通いつめた。どれだけボロボロになって、明日は絶対にやらないと口では言うけれど、皆強くなりたい気持ちを消すことはできずに毎日励んでいた。

『……鬼道くん』

白石が鬼道の姿を見たのは、そんな日常のとある日の部活後の事だった。
鬼道は以前父と訪れた白石家の家の前に静かに佇んで、白石の帰宅に気付いた鬼道はゴーグル越しの瞳を彼だけに向けた。

『こんな所でどうした?俺の家にまた遊びに来たの?』

「いや違う。……白石」

『なに?』

「＿＿＿＿＿……帝国に来ないか」